数日後、同機種対決による戦闘が開始された。 ( アンドレアス、師匠組の機体内 ) 「 師匠! 来ました! ヤツです! 」 「 小賢しい奴じゃ、お前の言うとおり、ドッグファイトの距離までミサイルを撃ち込んでこなかったワイ 」 「 よし! 機体を軽くするために燃料タンクを投下するぞ! 」 「 はい! お願いします! 」 「 ウム! 投下!!( これか? ) 」 燃料タンクと共に短距離空対空ミサイルも一緒に投下してしまったことに二人とも気付くことはなかった。 「 アンドレよ、敵も同じ機体のようじゃぞ! 」 「 これはますます負けられんのう、楽しみじゃわい! 」 後部座席に着く師匠のこのセリフは、 これから生きるか死ぬかの闘いをするという緊張感を全く感じさせない傍観したものであった。 これが戦闘機乗りとして幾多の死線を越えてきた者がもつ達観というものだろうかとアンドレアスは思った。 「 ブレイク! 」 可変後退翼がそのマニューバーに合わせて的確な角度を取る。 そのタイムラグに違和感を感じながら、互いのパイロットは巧みに背後を取り合おうとした。 急速なロールに大加重がかかる。 「 グウゥッ! 」 機体は軋み、老いたる身体にはこたえ、思わず声を漏らした。 「 師匠、大丈夫ですか! 」 「 ワシのことは心配するな、それよりもホレ、今じゃ! ブレイク・シザース! 」 息の合った師弟の操作は実にスムーズであった。 ( 下の写真はアンドレの機体ではなく、シャンペールの機体です ) |