抜けるような青空、澄み渡る空気、心地良い陽気、 だがしかし、シャンペールの心もまた、陰鬱であった。 これまでに最愛のパパンやママンから贈られた大切な機体をことごとく失ってしまい、 さすがのシャンペールもへこんでいたのだ。 そんな折、勢いよく執事のセバスチャンがやってきた。 「 お坊ちゃ・・いえ、シャンペール様! 偵察部隊からの報告によりますと、 例のパイロット、彼奴め、今度は復座の機体に乗っているそうですぞ! 」 「 あぁ・・・そう・・・ 」 「 早速アチコチに手を回してコチラも同じ機体を用意させました 」 「 今度は二人乗りということですので、僭越ではありますが私もお供させていただきますぞ、 今度こそ目にものをみせてやろうではありませんか! シャンペール様!! 」 「 あぁ・・・・・・って、・・・へ? 」 「 私とて栄えあるデュボワール家の召し使えであります、出撃には何の恐れもありません! 」 「 これまでお坊ちゃまの登下校に毎日専用ジェットを飛ばしてきた腕前はなぁに、まだ鈍ってはおりませんぞ! 」 「 ウワッハッハッハ! 」 その後、シャンペール専用の個室から聞こえてくる口論はしばらく途絶えることはなかった・・・ |