【 アホンダラ達の空 】
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◆◆◆ 製作者:キクメン 「 F-104S/G スターファイター 」 ◆◆◆
◆◆◆ White Knigt & Black Knight 前編 ◆◆◆
◆◆◆ White Knigt & Black Knight 中編 ◆◆◆
◆◆◆ White Knigt & Black Knight 後編 ◆◆◆
小さい頃、
僕はよくジュディと間違えられた。
それが面白くて、よくジュディと服を交換して皆が間違えるのを楽しんで遊んだ。
今ではもう間違えられるようなことはないけれど、
それでもおととしの仮想パーティで久しぶりに女装してみたら、
ジュディの幾人かの女友達以外のほとんどの人は僕をジュディと見間違えた。
僕の名は ジャック・ファースター。
ファースター家の一人息子と同時にジュディの唯一の兄妹(双子)。
彼女がいなくなったらもう二度とあの頃の遊びが出来ない。
彼女はもう一人の僕なのだから。
ジャックはジュディの駆るスターファイターと、
もう一機の機体、アラポンの駆るフィッシュベッドを確認した。
「 ジュディ・・・大丈夫だよね、アレをやるよ 」
ジャックはジュディに「 ジュディ、大丈夫かい? 」などとは聞かなかった。
その飛行機動を見て、彼女は全く問題ないことがすぐに分かったからだ。
「 ジャック、えぇ、いつでもいいわ、このしつこくて品のない肉食魚を驚かしてやりましょうよ 」
ジュディはいつもながら美しい旋律のような綺麗な発音であったが、
ジャックには( 彼だけが分かる )どこか、昔の、
小さい頃のジュディが持っていた無邪気でいたずらめいたものを感じ取った。
無論アラポンはこのもう一機の機体の存在は把握していたが、
同じスターファイターであると見て、多少油断していた。
幾度かの垂直旋回を繰り返しているうちに、
アラポンはまるで狐につつまれたかのように困惑していった。
白い機体を追っていたかと思ったら、いつのまにか黒い機体になっていたというのを、数度繰り返していたからだ。
別のもう一機は完全に把握していたと思っていた(つもりだった)だけに、
しかも、2機の色は完全に対照的な間違えないようのない色にも関わらず、
彼の認識と目に飛び込んでくる情報とズレが生じるのは大変なストレスとなった。
そして、アラポンの困惑は大きく膨れ上がり、
その困惑が彼の冷静沈着な操縦に一瞬の迷いを生じさせ、
その迷いは瞬時にロックオンの警告音にとって変わった。
アラポンは最後の最後に冷静さを取り戻し、
空対空ミサイルが自機を火達磨にする直前に脱出した。
アラポンが冷水を頭から被ったような気持ちで空を見上げると、
白と黒に塗られた2機の機体が、
まるで空中で光と影がそのまま移動しているかのように飛んでいくのを見た。
白い騎士の影には必ず黒い騎士が暗躍する。
この付近を飛ぶパイロット達の間で、
この言葉が交わされるのにそう時間はかからなかった・・・
◆◆◆ キット解説と製作後記 ◆◆◆
ハセガワ 1/72 F-104S/G スターファイター
定価1000円のキットですが、中古屋で300円でゲットしました。
(元ラガーマンでお花屋さんだったヒゲ店長ありがとねー!)
デカールもイタリア空軍用と旧西ドイツ軍用の二枚入りです。
かなりお買い得であります。
さて、このキットのキクメンの独断と偏見による成績でありますが、
点数はかなり高いです。
ただし、機体のバリエーション展開を見越したパーツ構成のため、
ボディは4分割で、組み立てやすさという点ではちょっとだけマイナスです。
しかしながら、スジボリモールド(&リベット痕)はかなり美しく、
パーツの合いもかなり良いのでパテ要らずでラクチンです。
とにかく300円で手に入れたのはラッキーでありました。
でもって、数年前までは全然カッコEと思っていなかった機体なのに、
こうして2機作ってみた後、とても好きになりました。
作っている途中の苦労はほとんどありません。
なにせ去年作ったタミヤ・イタレリ軍団(例えばミラージュ2000など)には結構泣かされましたから・・・・
あ、でもイタレリにも良いキットはありますよ。
例えばイタレリ(だけど中身は旧エッシーのキット)のスターファイターなんかは、
作り易いしモールドもなかなかシャープなスジボリなのでオススメなのです。
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