ドッグファイトにおける力量の差には、 アンドレアスの方に1日の長があった。 しかし、シャンペールの双発の最新鋭戦闘機は、 そうやすやすとアンドレアスの牙にかかることを拒みつづけた。 数十分に及ぶ激闘が続き、とうとう互いの機銃の残弾は底をついた。 その頃には互いの機体の主翼や尾翼には、 つい先刻前にはついていなかった醜い傷跡が刻み込まれていた。 これ以上戦うことは、機体をぶつける以外不可能なため、 お互いあきらめる以外他になかった。 だが、帰投した彼らの機体には、 基地にたどりつくまでの燃料は残されていなかった・・・ |