【 アホンダラ達の空 】

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◆◆◆ 製作者:キクメン 「 アルファジェット 」 ◆◆◆










◆◆◆ サー・アンドリュー・メルヘンシュタインの話 take2 ◆◆◆



私の名はサー・アンドリュー・メルヘンシュタイン、名のある貴族の末裔だ。
今日も新米パイロットの育成にあたっている。

今回の教え子は多感な十代をジャプンで育ったというハランス人の青年だ。
周りから問題児だと聞かされていたので、多少の苦労を覚悟していたが案外素直な奴だ。

なんでも聞くところによると、かつてジャプン語で
ボウソウゾク」と呼ばれる団体組織に所属していて、モーターサイクルを愛していたようだ。

別にモーターサイクルを愛することは悪いことではなくむしろ素晴らしいことだと思うが、
何か別の理由があったのだろうか?

しかし、だとしてもここではそんなことは関係ない。
もっと後ろ暗い過去を持っている連中がここにはゴロゴロいるのだ。
そう、私のように・・・・

よし、ピエール!目標地点到達だ!浅いダイブから爆弾投下!
イエッ・シャー!

ピエールはサの発音がいつもシャになるが、
どうもかつてジャプンで「アンパン」と呼ばれるものを吸引していたらしく、
それが原因で前歯がほぼ全部欠けており、( 正しくは溶けているのが正解です )
そのせいでうまく発音できないのだ。

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良いこのツッパリ講座:
アンパンというのはビニール袋にペンキ屋で購入する強いシンナー溶液を入れて、
それを吸ってハイになることです。By 70年代〜80年代初頭の言葉
皆さんはマネをしてはいけませんよ。
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恐らく彼は持病をわずらわせており、その治療薬として、
「アンパン」なる強い薬を吸引し続けたのだろう。
だとしたら、周りから言われた問題児というのは病弱という意味の問題児ということだろうか?

しかし、これまでの訓練飛行をともに過ごしてきたが、体の方はいたって健康なようだ。
何かの薬物反応も出ていないようだし・・・

シャーッ!パララパララ!爆弾投下!夜露死苦!死ねやコルァァー!

爆弾投下という言葉は聞き取れたが、
それ以外はジャプン語のため私には彼が何を言っているのかわからなかったが、
恐らく気合を入れる言葉であろう。
むしろそれは結構なことだと私は思う、戦うハートの表れだからだ。

ピエールの放った爆弾は見事練習用ターゲットを爆破した。

よし!いいぞ!よくやった、ピエール!目標ターゲット全部撃破だ!
では基地に帰投だ!これでもう卒業だな、今夜は私が一杯おごろう!

シューッ!マジっしゅか!イエッ・シャー!バリバリ全開!夜露死苦!パララパララ!

ピエールは狂ったようにスティックをグルグル回し、バレルロールを繰り返したが、
私には可愛い子供のような無邪気さに思えて、寛大な心で大目に見た。

シューッ!ッシャー!バリバリ!パララパララ!
ハコノリ」決めるぜ!?
オレ、「ハコノリ」決めるぜ!?コルァァァ!!

ハッハッハ!ピエール、ゴキゲンだな!

これくらいのバレルロールなどは何度も死線をくぐり抜けてきた私にとって、
全く動じもしないし、これくらいの悪ふざけなど、これまでのヤツラに比べたら可愛いもので、
全く不快ではなかった、私にしてみれば彼は自分の可愛い弟のような気すらしていたのだ。

私も初めて対地攻撃ミッションをクリアしたときはそれはもう大はしゃぎして、
その後・・・あの、め・・・いや、それは思い出すまい・・・

しかし、「ハコノリ」というのはなんだ?

次の瞬間、突然キャノピーは吹き飛ばされ、
ピエールはなにやら意味不明の言葉を発しながら
座席ごと飛んでいった・・・

ハコノリ!バリバリ!全開!ッシャーァァァァァ・・・・

意味不明の言葉を発しつつピエールは青く澄み渡った乾いた空の彼方へ消えていった・・・

前部座席の主を失った機体はヒョロヒョロと飛んでいったが、
数秒後、後部座席のメルヘンシュタインも脱出せざるを得なく、
結果、二人の主を失った機体は緑の大草原へ激突した。

何故だ・・・何故なんだ・・・
なんだって私はこんなところでこんな目に遭わなければならないのだ・・・

澄み渡る大空にメルヘンシュタインの心は虚しくこだました。

メルヘンシュタインは多くを語らない・・・



◆◆◆ キット解説と製作後記 ◆◆◆

フジミ製 1/72 アルファジェット

キットレビューは ココ を読んで下さい。

今回も小型練習機を作りました。
しかも単一塗装なので実にサックリ完成します。
出来た後も置き場所を取らなく、実によろしいです。

ハリアーとかジャギュアとかクルセイダーとかコルセアとかと同じく、
胴体の上のほうに翼が配置されている機体というのは結構好きですね。

相変わらず座席が悪い冗談ではありますが、
モールドはシャープで、パーツの合いも良好です。

簡素な後輪と後輪カバー、
シワシワで分厚いキャノピーさえ目をつむれば、
実にコストパフォーマンスの良いキットだと思いますよ。

そうそう、今回は面倒臭いので、
基本塗装後→スミ入れ、ウォッシング→デカール貼りの後の、
クリヤコートの吹き付け塗装はしませんでした。

なので、ボディと爆弾や燃料タンクのつや消し黒の、
つやがハッキリ違うのが分かるかと思います。

ボディ色のグリーンは相変わらずその場のフィーリングの調色ですが、
なかなか気に入っています。


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