【 ガンノート: 雑記 】
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<パワーアップと金属化について>
記述日:2001年8月25日
結論から先に書くと、私はパワーアップ、金属化、両方共に反対派であります。
実を明かすと、私もかつては飽くなき命中精度の探求という名目で、
パワーアップを追求しました。
サバゲで人を撃つのではなく、
プリンキングのみを目的としているわけだからいいだろう、と思っていたのです。
しかしその考えも、日が経つにつれ変化していきました。
その間いろんなことがありました。
隠さず全てを書くと、
友人の危うくほっぺた貫通事件とか、
私自身今でも消えない人差し指の怪我とか、
本職が警察官の人も混ざっていた、
4ジュール、6ジュールの世界の、SS9クラブとか、
電動ガンでジュース瓶粉砕とか、ちょっとしたもめごととか、
夜中の制服警官さんとの談話(なごやかな会話)とか、
公園や広場でのしゃれにならないくらいの量のBB弾散乱とか、
いろいろ・・・
大きな事件事故にならなくて本当に良かったと思っています。
そして、ドイツのエアライフル 「 ファインベルクバウ 」 を
撃ってからはさらに変化が顕著になりました。
そんなに命中精度を追い求めたいのなら、こういう競技用の銃を、
きちんと資格免許をとって、持てばよいではないか、と。
エアソフトガンのよさは、国から認められた特別な資格を保有することなく、
エアガンショップ、おもちゃ屋などで手軽に手に入れることが出来るということです。
そうです、エアソフトガンは遊戯銃なのです。
おもちゃである以上、
怪我をする可能性が高い強力なパワーを持ってはならないと思います。
もしもハイパワー化が進み、社会的に危険であるとの烙印を押されてしまった場合、
もう今のような状況で、手軽に、
リアルなエアソフトガンを手に入れられなくなってしまうかもしれません。
(この、「手軽に」という点がとても重要だと思います)
そうなってしまったら、せっかく今の素晴らしい状況を失ってしまうことになり、
なんとも寂しい限りです。
同様に、金属パーツの多用、
(最も危惧するのは、ブローバック・ハンドガンのアルミスライド、
ボディフレーム、電動ガンも同様)がエスカレートし、
もしも、何らかの事件が浮上し、マスコミに取り上げられてしまったら、
エアソフトガンの社会的地位はますます失われてしまうかもしれません。
こういう状況に拍車がかかると、エアソフトガン自体の存続すら危うくなるかもしれません。
きちんとルールとモラルを遵守する限りにおいては、
実に楽しく面白い素晴らしいホビーの一つだと思うので、
上述した懸念が現実のものとならないように祈るばかりであります。
また、どれほどパワーをあげたところで、
それが命中精度向上に直結するかというと、そうではないのです。
(確かに飛距離はあがります)
それよりも、限られたパワーやレギュレーションの中で
いかに命中精度をあげられるかということの方が、
奥深く、挑み甲斐が沸くのではないかと個人的には思います。
全くノールール、上限がない場合、
結構モチベーションの持続時間は(私においては)短いものでした。
意外に早く飽きたり、冷めたりしてしまうものです。
何らかの要素(ここではパワーと弾の重量等)を制限するというのは、
さまざまなスポーツ競技がそうであるように、
面白さや追求しがいを向上させるのに一役買う制限要素ではないだろうかと思います。
何の制限もなくパワー、金属化を進めていっても結局、必ず越えられない壁が発生します。
それはベースがもともとおもちゃであるからです。
どんなにつきつめても、前述した 「 エアライフル 」にはかないません。
軽自動車をどんなにチューンしてもF1には追いつけないのと同じだと私は思うのです。
(反論的になりますが、SS-9というエアソフトガンのカスタム・パーツには、
ジュラルミン金属製のかなり本格的なシャーシなどもあり、
もはや軽自動車の改造などとは例えられないようなものもあります・・・)
F1を追い求めるのなら、最初からその道を行けばよいのであって、
軽自動車にいくらそれを追い求めても無駄だと思うのです。
それよりも、軽自動車ならばその枠の中で創意工夫し、
追求して楽しむのが正しい楽しみ方だと思うのです。
例えば、足回りを改良したりして車全体のトータルバランスをあげるということは、
エアソフトガンにおいては、
ピストン、ノズル周りの部品をチューンしてエア流量効率を考えるとか、
ゴムパッキン、チャンバー周りを改良するとか、
あるいはトリガーを改良するとか、グリップを自分の手に合わせて改良するとか、
BB弾ゲージを作成して一発一発弾を選別するとか、
サイトを見やすい物に自作するとか、そういうトータルな部分で挑むべきだと思います。
話は変わりますが、エアソフトガンに興味はあるけどあまり深い知識のない方の大半が、
「エアガンてどれくらいパワーあるの?」のような主旨の質問をしてきます。
このような質問を受けるたびに結構ガッカリするのですが、これは仕方のないことです。
私が始めてエアソフトガンを手にしたのは中学3年生の頃です。(約17年前(1984年頃))
この時点で対象年齢18歳の自主規制に反していますが、現実問題、
18歳以下の方でも手に入れられる店はたくさんあります。
そしてやはり当時はパワーを求めていました。
非破壊検査ばかりしていたような気がします。
お父ちゃんが飲み終えたビールの缶とかを撃っては、
「 弾抜けたかな 」とかといって夢中になったものです。
やはり男の子なんです。
太古の昔、
古代ブリヤート人がマンモスを追いかけてた時の記憶がDNAに残っているのでしょう。
どうしてもエアソフトガンにも武器としての破壊力を求めてしまうのです。
カタチがリアルなだけに、この傾向はひときわなのでしょう。
だから、それほど深くエアソフトガンと、それを取り巻くシビアな現状を知らない普通の方は、
つい自然に 「 威力あるのかい? 」 と、聞いてしまうのだと思います。
このような方に頭ごなしに
「 良くない・悪い・エアソフトガンを持つ資格はない 」 と言うことは出来ません。
前述した理由により、こういう方々が悪いワケではないのです。
それよりも、そのような状況を知っていて、
なおかつエアガン自体の機構、構造を熟知しているであろう、
ショップ・メーカーが、パワーアップ・パーツ、メタル・パーツを
出すことの方が問題であると思います。
しかも、当然それらのショップメーカーは上記のパワーアップ・パーツ、メタル・パーツが、
売れることによって利益をあげているので、それらパーツの宣伝は過剰なものとなります。
さらにもちろん、それらパーツをふんだんに搭載したカスタムガンをも販売します。
ここで問題なのは、
売り手側は責任なしに一方通行的に買い手側に商品を提供しているだけということです。
また、そのような高価なカスタムガンが、上級者用の高級品という風にとらわれ、
中高生や、初心者、新規参入者の方々の目指すべきステイタス・シンボルであるかのように、
思われてしまう傾向があることも大いに懸念します。
自分も浅学な頃(いまでも浅学ですが)はパワー論者だっただけに偉そうな口はたたけません。
ですが、今一度、自己主張させていただけるならば、
ガンショップ、模型屋、おもちゃ屋で気軽に、
なおかつリアルで素晴らしいエアソフトガンを購入出来るこの状況を失いたくはありません。
この文章を読んで下さっている大半の方々はまず間違いなく私などなんかより、
モラルを遵守なさっているかと思いますが、
なるべく多くの方にも大パワー・金属化の制止、そしてモラルの遵守を共に考えてくれたらいいな、
と思います。
御一読ありがとう御座いました。
追記:今から約17年前(1984年頃)のこと。
当時中学3年生(15歳)の時、
初めて自分の小遣いでエアソフトガンを買いました。
買ったのは組み立て式のマルゼンのハンドガンです。
S&WのM59を買いました、何度も改造したりして壊して、何丁も買いました。
カート式でカートに弾を込めて、一発一発コッキングします。
しかも押し込み方式のコッキングです。
BB弾がスタンダードになっていったのもその頃位からでした。
その前まではつづみ弾と呼ばれる弾が主流でした。
(当時は新聞配達をしていて、
給料全てが自分の小遣いになったのでリッチな中学生だったのです)
早速近所の裏山で射撃&撃ち合いごっこです。
そして高校1年生の頃になると、本格的にサバゲをやり始めました。
沼の中に潜ってまで(銃は水の上)待ち伏せしたりとか、
(当時ランボー2を見て相当入れ込んだようです)
いろんな文献を読み漁っては研究&実行を繰り返し、
かなりのめりこみました。
その頃になると、とにかくやみくもに後先考えずに、
パワーアップにも走りました。
コッキングハンドガンにSS9(当時から既にあった)の
スプリングをカットして無理矢理入れたりもしました。
今思えば結構ムチャクチャだったと思います。
唯一救いがあったとしたら、それらのハイパワー銃が、
ゲームで使用する前に壊れてしまい、
ゲームでは結局ノーマル・スプリングを使用してたことです。
もしもそれらを使ってゲームに出ていたら、
どうなっていたか分かりません。
やはり、この年頃では、
エアソフトガンを取り巻く状況や周りの方への
配慮に欠けていたという事実は否めませんでした。
当時の時代背景は結構寛容であったのと、
人口密度もそれほど多くない場所柄で、
さらに裏山などのフィールドに恵まれていたため、
細やかな気配りをすることに無頓着になっていました。
自分がこうであったので、ことさら若年層の方々に偉そうには言えません。
ですが、やはり皆でルールとモラル、マナーを守って、
いつまでも、この楽しいホビーを長続きさせたいと願う次第であります。