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************ ストーリー解説 ************
キクメン軍アタマカタイの傭兵部隊の地上基地に 場にふさわしくない海軍の機体が登場した。 F−14トムキャットである。 基地の要員達は珍しい機体を二重三重の輪を作って取り囲んでいた。 その中心では機体のオーナーが自慢話を延々続けている。 オーナーはアントン・スネーボ、大金持ちの道楽息子である。 「パパが大統領の友達で、僕の誕生日にプレゼントしてくれたのさ」 「今回は特別に後部座席の要員を募集してるんだけど、誰にしようかな?」 ムカツク言いようで皆が興ざめしている中、野太い声があがった。 「オーイ!スネーボ、俺にやらせろよ・・・」 人垣を押しのけて登場したのは、この基地の厄介者「ジャイアント」だ。 スネーボの言い分も聞かずにヘルメットを片手に飛行服を身にまとった ジャイアントは既に機体の梯子を上り始めている。 「ジャイアント、そっちはパイロットシートだよ・・・」 恐る恐る言うスネーボだが、ジャイアントの「うるへぇー、文句あんのか?」 の一喝にビビッテしまい渋々後部シートに座るしかなかった。 パイロットシートはスネーボが特注した高級ブランド製のシートで スネーボの体格に合せてあった。 当然、大柄のジャイアントが座るには無理があった。 ビリッ・・・高級ブランドのシートが悲鳴をあげた。 ジャイアントは強引にシートに収まると管制官の許可も得ず、 フルスロットルで滑走路を疾走し大空をへと飛び出していった。 「すげー・・・すげーパワーだぜ!!」 成す術もないスネーボだが、機体の性能に感動し、先程の事など忘れていた。 大空の散歩を楽しもうと胸躍る2人とF−14の銀翼 しかし、無計画で強引なジャイアントの行動は直ぐに破綻をきたすことになる。 ジャイアントはこの機体の操作法を全く知らないのだ。 ジャイアントとスネーボが飛び立って直ぐに突然鳴り出す警告音が鳴り始める 「なんだなんだ?」(ギアアップの警告なのだが)二人はすでにパニックだ。 「こんにゃろー!だまれ、ガツン!ガツン!!」拳でコントロールパネルを殴る ジャイアントの脅しと暴力に対して機械は冷たく警告音を発するだけである。 「おい、スネーボ!お前に返すからな・・・脱出!!」 ジャイアントは一方的に宣言すると射出シートで大空へと飛び出していった。 そんなぁ・・・ 泣き出したスネーボだが、空にはパパもママもいない、 それどころか後部シートには操縦装置もついていない。 機体は警告音を発しながら安定を失い高度を急激に下げていく フラットスピンを起こす直前スネーボもなんとか脱出することが出来た。 ワーワー泣きながらパラシュート降下するスンーボが見たのは 実戦に参加することなく砂漠で爆発するパパからのプレゼントであった。 「ジャイアントのバカー!!」 砂漠の空はそんなに甘く無いのである。 |