************ ストーリー前解説 ************ ミンゴルの戦闘地域といっても非戦闘地域に接していると いささか緊張感に欠けてしまうようだ。 キクメン軍前線基地「ベース04」は、その緊張感の欠如から 基地への奇襲攻撃という最悪の事態を迎えていた。 イシケン軍は緻密に練り上げていた作戦を速やかに実行し、 作戦はクライマックスの基地への直接的攻撃の段階に突入しようとしている。 パトロールの報告によって敵の侵攻を知ったキクメン軍は明らかに手遅れだった。 全て順調のイシケン軍、奇襲作戦は成功するのか? 名も無き基地「ベース04」の運命は・・・ |
************ ストーリー解説 ************ イシケン軍特殊部隊はキクメン軍のレーダー基地を破壊し キクメン軍のレーダー網に小さな穴を開けることに成功した。 そして今、その穴より、総数16機のイシケン軍攻撃部隊が進行していた。 「どうやら敵に見つかったようだ・・・ さてこれからどうする?攻撃部隊リーダー殿?」 MiG−23を駆るパイロットが緊張感なく同僚に無線で問いかける。 「今更、引き返す訳にもいかんでしょう、騎士団隊長殿」 MiG−27のパイロットも同様の思考パターンで無邪気に応じる。 上空を接近してくるキクメン軍機(F-5)を指しての会話だ。 「しかし、よく見つけたもんだなぁ」どちらともなく言葉にする。 「これだけ派手な機体で見つからないのが不思議だって・・・。」 このセリフは両者が入れ替わったとしても同じに言葉になったであろう。 「いつまでも、ミンゴルでくすぶるつもりはないんでね、 いい加減もっと良い機体に乗りたいじゃないの?お互いに・・・」 彼ら同郷出身で年齢も近く、同時期に小隊長になり技量も認め合っていた。 そして、何より同じようなユーモアセンスと上昇志向を持ち合わせていた。 そんな彼らにミンゴルという寂れた戦場と時代遅れの機体は不満であった。 最新鋭機を手に入れ、自己の腕前を証明できる戦場を欲していた。 戦場はミンゴルにはある、しかし最新鋭機が投入されること決してなかった。 彼らはこの作戦を成功させ、次のチャンスを覗っているのだ。 そして上への印象を残すためにも彼らは自らの機体を派手に塗装している。 「色の組み合わせが悪かったかな、変に目立ったんじゃないか?」 砂漠塗装の機体を急遽塗り重ねた結果、なんとも不思議な見栄えとなっていたのだ。 「良いんだってアイスドラゴン、ファイアードラゴンって売りにするんだから やっぱ、上を目指すにはイメージ戦略って大事でしょ ドラゴンの画を描いても良かったぐらい、失敗した、やはり書くべきだった。」 「・・・」 どうやら、センスに関してはお互い差異があるようだ・・・ そんな会話の間にも目標は近づき、遂に目と鼻の先の距離に・・・ ここでの中止はありえない。 作戦本部からの無線で目標への最終アプローチの指示と状況報告が入った。 目標から数機の迎撃部隊が向かっているとのことだった。 「残念だが時間切れだね、今からじゃあ俺たちを止められない」 どちらも同じように思ったことであろう。 「じゃぁ、後はよろしく・・・」、「任された!!」 そんな会話の後に青の機体に率いられた一群は上昇し、 赤の機体の一群はフォーメーションを組み直していた。 「さて、お遊びはここまでだ。」二人とも冗談口ではなくそう呟いた。 |