【 アホンダラ達の空 】
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アホンダラ達の空 外伝
◆エア・ファイア・パトロール◆
低いエンジン音と軽い振動がスティックを通し身体に伝わる、
機首を下げ風防越しに前方を凝視し、再び機首を戻す。
ベースに定時連絡を入れ再び単調な飛行を続ける・・・
なだらかな山脈と眼下に広がる広大な森林、
陽の光を反射し、黒く輝く湖・・・・
其の湖の一つに向かい降下を始める。
スロットルを絞りつつ水面に対し機を平行に保つ、
軽くフレアをかけながら着水・・・・
プロペラが巻き起こす風が水飛沫を上げ、水面がざわめく、
ウェーキーを引きつつ湖岸の桟橋に近付くと、見慣れた顔が出迎えてくれる。
『ヨォ、とっつあん、元気で飛んでるかい?』
『ああ、お前さんも今シーズンの調子はどうだい?』
『嗚呼、其れが昨日仕留めた大物をバラしている最中にオヤジが臭いを嗅ぎつけてきやがってヨォ・・・』
『おいおい、それじゃ・・・・』
『ああ、折角の獲物を横取りされちまったョ・・・クソ、今度遭ったらこのM-500で・・・・』
彼はそう言いつつ腰からピカピカのS&Wのモンスターリボルバーを引き抜き、湖に向かい銃を構えてみせる。
『やめとけ、お前さんの腕じゃ怒らせるのが関の山だよ、ハハハ』
馴染みのハンターロッジでガイドのジャックとそんな話をしながら、彼が作った昼飯でブレイクする、
釣りたてのマスのバターソテーと豆とベーコンの煮物、粗末だが味は折り紙付きだ・・・
食後のコーヒーを飲みながら再び話しに華が咲く・・・
『で・・・・とっつあん、何時まで飛び続けるんだい?』
『飛べなくなるまでだョ・・・身体が動くうちは飛ぶさ』
『アンタならまだまだ大丈夫だよ』
『ありがとよ、そうだ、今度一緒にスチールヘッドでも狙いに行くか?』
『お・イイねえ、今度は負けねェぜ、若さってのを見せてやる』
『ああ、ヒヨコがどれ程のモンかとくと拝見だ』
互いに憎まれ口を交わし、再び機に乗り込む・・・・
イグニッションスタート・・・風上に向かいタキシングして、スロットルを開ける、
フロートが機を持ち上げ、速度が充分乗ったのを確認し、スティックを引く・・・
ぐんぐん上昇し、再び監視の仕事に戻る。
今日も火の手は見当たらない、が、油断は禁物だ、
マナーの悪いハンターやキャンパー共が、火の始末もしないで居たら大変だ。
目を皿の様にしながら、夕闇が迫るまでタップリ飛び続ける・・・森の安全を願いつつ、
オンボロの森林監視機は今日も飛び続ける。
END・・・・
今回の機体は以前投稿したパイパーカブJ3の水上機バージョンです、
機体のマーキングはオラスカン・ファイアーデパートメント・・・
(オラスカ=アラスカのアホンダラ名称と言う事で・・・)
オラスカ消防署森林パトロール隊に所属する水上機と言う設定です。
前作との比較、ほんの僅かですが小さめに出来ています
塗装はペンテルF水彩絵の具、主翼、機体はエアブラシ・・・
(ウィンドウ部分は接着力を落としたセロテープでマスキング)
水平尾翼、ピラー等は筆塗り、 フロートは印刷そのままです。
今回手間取ったのがフロート・・・折込が複雑なので難儀しました。
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