【 アホンダラ達の空 】

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◆◆◆ ドッグファイトサーカス 『The restoration』 ◆◆◆

私がこの薄暗いハンガーに住み着いて何年の月日が流れたのだろう?
全身には埃が積もり、体中を無遠慮に這い回る蜘蛛が忌々しい糸を張り巡らせていた・・・・・

私がこの世に生を受けたのは世界中がその覇権をめぐって争っていた最中の事である、
戦場の上空を敵と死闘を繰り広げ、時には勝利し、また時には敵弾を浴びながらも 命の限り戦い続けた。

その間、私の主は次々と替わって行った・・・・・・

天才的な才能で私を自由に操り、敵を次々と蒼天の藻屑としていった者も居れば、
その逆にやっと空を飛ぶ事を覚えたばかりの若者が、危なっかしい操縦で、
漸く滑走路に降り立つ事もあり、私をヒヤリとさせた事もある・・・・・・

私は・・・いや、我等は常に主と共に在った、『兵器』と言う運命(さだめ)に在って尚、
人間は我等を愛し、大事にしてくれた・・・・・・・
彼等に応えるべく、我等も性能の限りを振り絞り尽くして来た。

そんなある日、人間の言う所の『世界大戦』が幕を閉じた、
何という事だ、事もあろうか人間達はその間生死を共にして来た我等を、
『平和』と言う題目の元に封印してしまったのである!!

それから間も無く、再び世界が争いの渦に巻き込まれた、
我等にとっては再び大空を飛び回り、敵を討つ使命が果たせると思ったその矢先だった。

全身を金属の鎧で包み込んだ不恰好な奴等が我等に取って代わり大空を朱に染めていたのだ!!
人間に言わせると我等は『時代遅れ』とも『旧世代の遺物』らしい・・・・
その金属の鎧をまとった奴等は我等よりも足が速く、強力な心臓を持ち、また得物も強力な物を搭載していた。

是では確かに人間の言う通りだ、足が遅く武装も弱く、身体も彼等より脆弱な我等の出る幕では無くなっている、
口惜しいが認めざるを得ない事実だ・・・・・・

常に共に在った人間達に裏切られた様な気がした・・・・しかし・・・・・
勝てない兵器では役には立たない・・・・・彼等はなんとしても勝利を掴まねばならぬのだ!

私は潔く人間の裁定に従い、それからと言うもの静かに成り行きを見守る事にした。

それからまた長い時を経て我等が再び大空を駆け巡るチャンスが巡って来た・・・・・・
世界は『平和』とやらに浮かれ、今度は金持ちの道楽の為に命を吹き込まれたのである。

しかし我等の身体は長い間放って置かれた為にすっかり弱ってしまっていた・・・・・
心臓の鼓動が再開した途端、けたましい騒音が鳴り響き、悲鳴を上げ、身体を操るワイヤーはボロボロに・・・・

身体の状態を示す計器類はすっかり狂ってしまっていた・・・・・
新しい主人は私をバラバラに分解し、調整、修理を施してくれた。

他の仲間も同じ様に復活を遂げた、が、それはかりそめの命でしかなかった・・・
仲間の多くは足りない部分は代用品でまかなわれ、身体の殆んどに改造を加えられた、
似つかわしくない程の強力な心臓、得体の知れないパーツ・・・・
姿形は当時のまま・・・しかし、使われる部品は我等を生み出したるマイスター達の魂のひとかけらも無い大量生産品・・・・・

しかし私の主人は違った、何処からともなく昔の図面を探し出し、
また、私が生まれた当時の方式で私が大空に舞い上がれるよう努力してくれたのだった!

多少身体を構成する材料は違えど、昔よりも屈強な部品を取り付け、
激しい運動にも耐えられる様になった。
心臓もオリジナルのパーツを多分に残し、磨き上げ、調整を施してくれた・・・・・
主人に言わせると私の心臓はとても良い状態で、交換せねばならないのは僅かなパーツで済むそうだ、
仲間と同じく手を加えられたとは言え、私には未だ誇り高きマイスターの魂が宿り続けていた。

身体の彩りはサーカスのピエロの様で私の自尊心を多少傷つけたが、
そんな事はどうでも良い、武装も相手を傷つける事は無いが、
それでも若かりし日の様に大空を駆け巡り、戦いが出来るのだ!!

今私は自由だ、大空を、世界を駆け巡りその能力の限りを尽くして飛んでいる、
遠い昔に合間見えた相手とも渡り合えば、私を空の主役から引きずり落した奴等とも戦う事がある。

時には勝利し、時には敗北を喫し・・・・・・嗚呼・・何と言う事だ・・・・
私は生まれ変わったのだ! 是程喜ばしい事はない!!

大空を舞う喜びを噛み締めつつ、今日も私はあの蒼天を駆け巡る。

END・・・・・・・・・・・・・・・

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今回は複葉機です、第一次世界大戦の名機、『フォッカーD7』です。

とある海外のサイトさんで無料配布されていたペーパークラフトに
ドッグファイトのテイストを盛り込みペパモに塗装と言う暴挙に出ました(^^;

基本的にはデーターに手を加え、型紙の印刷時にプリンターで総てまかなうのが理想ですが、
残念な事に私のスキルでは未だ其処までの事が出来ません(悲)

その他多少オリジナルに手を加え、印刷のみで平坦だったコクピット周りと
エンジン部分、その他車輪や支柱などを立体的に組み上げてみましたが如何なモンでしょうか?

シートの製作までは覚束なかったのですが、計器板はチョッと工夫して立体的に仕上げてみました。

ストーリーの軸は長い事放置され、再びレストァされ使用可能になった複葉機の心情を書き上げて見ました。
(機械に心と言う物があれば・・・との想定で書いて見ましたが・・・やはり可笑しいでしょうか?)

多少仕上げが甘いですが取り合えず御覧あれ・・・・・・



全身画像です、複葉機はこの斜め前から見た画像と・・・・


この斜め後方から見た画像が一番格好良いですな 翼端のチェッカーのマスキングには往生しました(苦笑)
多少のズレ込みはご愛嬌って事でカンベンしてください


コクピット、計器版は元の絵にメーター部分を繰り抜いた物を張り合わせ立体感を出しました。
シリンダーヘッドは元の型紙を何枚かコピーしてパーツ毎に切り分け積層します。
シリンダーブロックはプラ丸棒を使用、クランクケース部は見えないので適当に箱組みです(^^;


あ〜・・・・今回のマーキングです・・・・・・・
相変わらずのラベルシール製・・・・フォトショップの練習をせねば(^^;
ネタはいつぞやのアーリーアメリカンのフィギアです(爆)

マフラーは資料が見つからず仕方なくそのままです。(残念)

最期になりましたが、元の機体データーを配布して下さったサイトオーナー様には感謝致しております。
有難う御座いました(ペコリ)

また、勝手ながらディティールを加えた事、お詫び致します。



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