【 アホンダラ達の空 番外編 】
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DogfightCircus ＃６ LadyFighter
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Last Session ”Battle”
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「ダンナ！大丈夫か、まだ飛んでいるか？」
俺はラジオでステンのダンナを呼び出した
「おお、まだなんとか飛べているがな・・・・もう限界じゃ」
「どうした？」
「歳じゃな・・・腰が痛くてタマラン、おまけに長いこと飛んでいたので尻が板みたいじゃ」
「・・・・・・」
「すまんがそろそろ降りたくなってきたワイ」
無理も無い、本来こんな所で飛んでいる年じゃない、とっくに引退していてもおかしく無い人だ・・・・・
「悪い、もう少し辛抱してくれ、じゃないと・・・・」
「おお、まかせなさい、レディを守るのはナイトの務めぢゃ」
「聞いていたのか？」
「当たり前じゃ、プランも知らずに戦える訳なかろう？」
「すまん、頼む」
ステンのダンナがキャノピー越しに親指を立てたのが一瞬見えた・・・・
先にトーラスを落とさなければ話にならない、その間ダンナにはグロリアを牽制して貰わなければ・・・・・・・
オレはスロットルを全開に叩き込むと、トーラスを追って上昇した。
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ゲーム開始前、チームマネージャーのロンが怪しい情報を仕入れてきた。
スカイパイレーツのオーナーがグロリアをチームから追い出す算段でいる、と言う物だ、
まァ、普通に解雇と言う方法ならば問題は無いが、どうやらもっとドロドロした物らしい。
前日、俺達バルキリーウイングスの連中と飲んでいたのを理由に、裏切り者のレッテルを
貼り付けて止めさせると言うのだ。
どうやら裏事情が在るみたいだ、彼女の父親はパイレーツの株を多数所持していると聞く、
恐らく、利権問題が絡んでいるとロンが推察してる通りだろう。
娘の失態にかこつけて親に責任を取らせる・・・・これがロンの考えだ。
これで昨夜の電話の意味が解った、恐らくグロリアからの物だろう。
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「くそ、損得勘定でパイロットを手駒みたいに扱うヤローの腰巾着め」
「ふん、何の事だ？ 小僧、いい気になっているなよ」
上空でトーラスを捕まえた俺は、ヤツのゼロに向かって射撃を開始した、
金と暴力でエースの座を掴んだ様なヤツだが、それなりの実力もある、
あっさりかわされてしまったが、オレの目的は撃墜ではない。
「へっ、そんな程度か？ ならコッチの番だ」
トーラスが機体を捻り込んでミグのケツに付く、そのまま機銃の一斉掃射が始まる・・・・・
今落とされる訳には行かない、スティックを横倒しにしてゼロの模擬弾をかわす。
「ふん、動きの鈍い機体の割りにゃサルみたいにちょこまか避けやがる」
「るせえ、テメエこそ旋回性の良いゼロを持て余しているんじゃネエか？」
「ほざけ、小僧！」
トーラスの頭に血が上った様だ、いいぞ、其の調子でキレまくってろ・・・・・
オレは軽快なゼロの動きに注意しながら頭の中でプランを練っていた。
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「ッたくモウ、いい加減しつこいわよ、Mr.ステン！」
「まァ、そう言いなさんな、わしゃ一辺で良いから嬢チャンと一戦交えてみたかったんぢゃ」
「其の言い方、なんかセクハラ！」
ったく、このスケベ爺さん！ 空飛んでる最中になんと言う事を・・・・・・
「ほ？ そんなつもりはさらさら無いゾイ、嬢チャンこそ何を・・・・」
「ええい！ 五月蝿いわよ！ もっと真剣にゲームを・・・」
「わしゃ何時だって大真面目ぢゃ！」
そう言うが早いか、あっという間にスピットが後ろに回りこみ
模擬弾の嵐を見舞って来た、 コクピットに響く着弾音とセンサーのアラーム、
慌てて機体を反転させるが更に追い討ちをかけてくる・・・・・
（冗談じゃ無い、此処で落とされては・・・・・）
更にスティックを引く、強烈なGが襲い掛かり、目の前が暗くなってくる、
なんとか振り切ると視界が戻ってきた、直ぐにステンを探すが見当たらない、
でもナニ？ この違和感は、なにかお尻の辺りがモゾモゾする・・・・・・
其の刹那、スピットがいきなり後方に姿を現す、
なんてコッタ、あのジイ様ずっと私の機体の直ぐ下にピッタリ張り付いていたのだ！
「チョッと、Mr.ステン！ レディのお尻にピッタリ張り付くなんて失礼よ！」
「ふぉ ふぉ ふぉ いや、こりゃまた失礼をば、この歳になると、
勝つためには形振りかまっていられないのでな、では行かせて貰いますゾイ」
そう言うといきなりスピットの機銃が火を噴いた。
冗談じゃ無い、それでなくとも至近距離だと言うのに、
ハリネズミの様に武装したスピットに後ろから撃たれたのではたまった物ではない。
閃光が見えた瞬間に機体をロールさせ、一撃をかわす。
「ふぉっ、たいしたモンじゃ、今のをかわせたヤツは大戦中にも居なかったと言うに」
「あらそう、お褒めのお言葉有難う、コッチも何かお礼しないとね」
「いやなに、その代わり今夜のディナーでもご一緒させて貰おうかのォ」
「そうね、ディナーまで待ちきれないわ、替わりにこれはいかが？」
そう言うと私はエアブレーキを目一杯に利かせてステンの機をやり過ごした、
瞬間スピットがガンサイト一杯に映り込む、
即座に照準を合わせトリガーを押し込むと演出用の派手なレーザーと、
曳光模擬弾がスピット目掛けて飛んでいった。
「ドンピシャ！」
「なんの！」
機体を反転させ、そのまま捻り込んでスピットがかわす、
流石だ、このおじいちゃんスバルより腕が立つかも、コレまでの戦績を考えると案外食わせ者かもしれない。
「逃げ足の速いおじいちゃんね！」
「ふぉ ふぉ ふぉ まいったか」
ったく、やり難いったらないわ・・・・・
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結局、ゲームは私たちスカイパイレーツが勝った、いや、
正確には私が勝たせて貰ったような物だ。
トーラスはスバルの作戦に見事に引っ掛かり、バトルフィールドから追い出され失格負けを喫した、
ステン・3ｒｄは途中でエンジントラブルで棄権、もっとも原因はパイレーツのオーナーの命令で
彼のスピットに何らかの細工を施したのがバレて、チームは解散ギリギリのペナルティを背負う事になる。
最後にスバルだが、トーラスを仕留めた後、直ぐに私との対戦に移ったのだが・・・・・・・・
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「いくわよ、スバル！」
「ああ、何時でもかかってきな・・・・と言いたいが」
「なによ？」
「スマン、勝負は又今度な、もう燃料が無いんだ」
「え？ ガス欠・・・って・・・なによ、ふざけないで」
「そうは言っても、・・・・もう降りないと規定違反になっちまうから先に降りるぞ」
「あ、チョッと待ちなさいよ、コラ〜〜！」
燃料切れと言う割には見事なアクロバットを決めて観客に応えながら着陸したスバルの
後を追うように私も着地した、其のまま機をハンガーに入れるとオーナーがやって来て
私に文句を付けて来る。
「おい、グロリア、何だ、今のは！ 折角勝ったと言うにギャラリーにも応えず降りてくるとは何事だ！！」
「へっ、まァ勝ったと言っても相手の燃料切れじゃカッコも付かないってか？」
と、トーラスのイヤミ・・・・・・
ふん、自分はドッグファイターなりたてのルーキーでも滅多にやらないミスしたくせに・・・・
そこへ負けたとは言え機銃ではケリを付けずにトーラスを負かし、インタビューに応えていた
スバルが、ハンガーの前に立って事の成り行きを見ていた。
それに気付いたトーラスがスバルに殴りかかる・・・・・・
「このガキィ！ さっきはよくも舐めた真似を！！」
「うおっと、 そう熱くなりなさんなって、エ〜スさんよォ」
軽く往なしたスバルの口元がニヤ付いている・・・・
カッとなったトーラスが再び襲い掛かる、が、逆にカウンターのパンチを喰らい其のまま伸びてしまった。
「さてと、 パイレーツのオーナーさんよォ、随分あこぎな真似してくれたなァ」
「な、何の事だ？」
「トボケたって駄目だぜ、ネタは上がってるんだ、グロリアの事、ステンのスピットの事・・・・・・・」
「わ、解った、如何すれば良いんだ？」
「そりゃ自分で決めるコッタ、只・・・」
「只、なんだ？」
「納得のいく態度を見せてくれないと恐れながらって事に・・・」
こりゃドッチが悪人だか解らないわね・・・・・・・
それにあの台詞回し、昔見たサムライムービーに出てきた悪徳商人みたいだわ・・・・
「わ、解った、誠意の在る対処をさせて貰う」
「あ？ なんか勘違いしてるんじゃねえのか？ お〜い、ロンのとっつぁん・・・・・」
「だから其の呼び方は止せって言ってるだろう」
影からロンがパイレーツの整備員の首根っこを掴みながら出てきた
「こいつらがみんなゲロしたぜ」
「オ、オーナー・・・スンマセン、喋らないと酷い目に遭わせるって脅されて・・・」
「く・・・・・・」
「さあ、もういっぺん聞かせて貰おうか？」
「わ、解った、頼むから今回の事は水に流してくれ、今回の事は責任を持って・・・」
「OK、コッチも黙っているよ、グロリアは良いかい？」
「え、ええ、私はそれで・・・」
いよいよもってサムライムービーのクライマックスだ・・・・・・・・
「なら、手打ちって事で・・・じゃあ行こうか、グロリア」
「え、ええ・・・・・」
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あれから2ヶ月が過ぎた、私はスバルに誘われ、今はヴァルキリーウイングスに所属している、
ミスターステン3ｒｄは・・・・・
「もう歳ぢゃからの、今後はルーキーの指導でもしてノンビリするよ」
・・・・こんな具合で今は飛行学校の名誉主任教官（怪しい肩書きだ）に収まっている、
たまにチームに遊びに来てスバルとジャプニーズ・ティーとオセンベーでなにやら楽しげに世間話をしている。
で、私は・・・・・・
「お〜〜い、グロリア〜！ 早く準備しネェと、またロンのとっつぁんに・・・・・・いてえ！！」
「だから・・・其の呼び方はよせって言ってるだろう！」
「はいはい・・・・お〜いてえ、マジに殴りやがる・・・・さ、行くぜ、グロリア、今日は雷撃ゲームだ」
「OK,あなたが操縦する番よね？」
「違うよ、今回はキミだ」
「あら、そうだった？ 前回フィッシュを外してくやしがってじゃない？」
「どっちでもいいから早くしろ！ もう時間だぞ！！」
ロンのカミナリがまた落ちた、ホント、おっきな声よね・・・・・・・
万事こんな調子だ・・・・ま、いっか、 楽しく飛べりゃいいのよ。
《Fin》
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如何でしたでしょうか、漸く3部作目が完成致しました。
相変わらずの稚拙な文章、オマケに最後はストーリーが破綻して無理やりまとめ上げちゃっています、
もう少しスッキリ仕上げられるよう、これから精進したいと思います。
さて、今回は頑張って2機を製作致しました、仕上がりはストーリー同様かなりショッパイ物に・・・・・・
それでもネジリン棒（キク語録より抜粋）にならなかっただけで充分です（苦笑）
サンダージェットは手塗りでしたが、スピットは久しぶりにエアブラシを使用しました、
マーキングは相変わらずA-oneの透明つや消しラベルです。
少し浮き気味になってしまい、白く光ってしまいました、モールドや凸凹部をまたぐ時には注意が必要です、
インクジェットプリンターでデカール印刷が出来ると良いのですが・・・・・・・
キット自体はタミヤらしく、ソツ無く製作できます、パーツの合いも良いし、重宝致します。
では、遅蒔きながら、今回のキットの写真をどうぞ・・・・・・・・
今回のお題です、同時進行はムリなので一機ずつ作りました
続けてどうぞ
2機並べてみました
Mr.ステン3rdはジャプンびいきと言う設定です（また勝手な俺設定を・・・）
そう言う訳で主翼下面の自分の名前は平仮名で書いています（おいおい）
機体も当然旧ジャプン軍機カラーを模しておりますが、どこか中途半端です（苦笑）
彼の機体はスピード重視の為翼端を短くしてあります。
グロリア機はいかにも成金のオーナーの趣味が丸出しと言うカラーリングです、
メンテナンスハッチと垂直尾翼のスカルマークはチームシンボル、これは一度ホワイトラベルに
印刷したのですが、ツヤが在り過ぎるのでフラットベースを混ぜた塗料でマークを塗り直しています
（また無茶な事を・・・・・・・）
本当はレッドゴールドにしたかったのですが、調色をドジってコッパーに・・・・・・・
もったいないのでそのまま使いました（苦笑）
最後にコチラは愛用のエアブラシです（と言っても冬眠状態が5年程）
そんなに酷使していなかったのでコンディションは抜群でした。
最後になりましたが、毎回稚拙な文章にお付き合い頂き有難う御座います。
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