【 アホンダラ達の空 】
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◆◆◆ NEW YEAR ◆◆◆
年も替り、最新鋭原子力航空母艦「ドナルド・レールガン」は太平洋上のとあるポイントで新年を迎えている。
その日もいつもの様に「一部のお馬鹿さんクルー達」は異様な盛り上がりを見せていた。
飛行甲板隅では酒を片手に派手に爆竹やロケット花火でパイロットや整備員、半舷休息のクルー達が迎えた新年を楽しんでいる。
「流石に燃料庫とか原子炉とか弾薬庫で爆竹を鳴らすのはヤバかったかな?」
「・・・でも各長の激怒ブリはかなり笑えたけどな」
彼らは爆竹を新年と共に食堂で鳴らし、その余勢で艦内中を練り歩き、各所で怒鳴られ飛行甲板隅に追いやられてしまったのだ。
悪びれずに笑いながら、新しいシャンパンを開け、ポンと言う音と共にコルクが漆黒の闇に消えていった。
「イテっ!」
コルクが誰かに直撃したらしく、闇の中から年末最後のミッションから帰ってきたパイロットが現れた。
「新年早々アンラッキーだなぁ、昨年のクリスマス、ラストミッションもツキが無かったが、今年も駄目っぽいな」
「どうしたんだい、大尉?」酔っ払ったデッキクルーが階級を飛び越えた口調で問いかける。
大尉は酔っ払いに寛容さをみせ、素直に言葉を返した。
「いや〜ミサイルが全部不発なんだよ、トラックや戦車にゴツンと当たってそれっきりさ・・・
あれではスコアとして認められないだんろうなぁ・・・」
「・・・」一瞬静まる一部の酔っ払い、だが吾に返ったように大尉に慰めの言葉を送る。
「まぁまぁ、大尉殿、元気を出してください、こっちで一緒に花火をやって、ツキをブッ飛ばしましょうや」
大尉も諦めたが付いたらしく「すまないな、何か派手なのをくれないか、戦車もはじけ飛ぶようなドデカイ奴を」と花火を要求する。
「これ行きましょう、そこいらの市販品とはレベルが違いますよ、なんせここは火薬の宝庫だから!さぁ、ドカンと行きましょうそれにこれは元々は大尉のですから」
「・・・おっと、大尉のために取っておいたって意味ですぜ、へへへ」
飛行甲板隅が一瞬昼間のような明るさになり、飛行甲板に人々の影を映す。
「ドナルド・レールガン」次の年を迎えられるか、それは誰も知らない。
◆◆◆ 製作者:イシケン 「 F/A-18C HORNET 」 ◆◆◆
◆◆◆ キット解説と製作後記 ◆◆◆
年明け作品、アリイ製のホーネットです。
おそらくこの商品(原型はLSでそれを継承)が144世界では最も古いホーネット商品だと思います。
そして凄いことに今だに販売されています、流石に金型はピンチですがそれでも販売中です。
店頭には複数機セット&デカール換えという、かなり攻撃的(ユーザーに対して)な商品が並んでいます。
さて、本商品ですが20年以上昔の発売当初からの改変が無いまま現在に至っているため、いろいろな部分で古さが感じられます。
武装を吊り下げるパイロンのパーツが無いためシンプル対空兵装しかありません。
(最近の複数機セットでは増槽とパイロンが追加されています)
コックピット周りもバスタブのみ彫られており、144=小学生キットの時代を感じさせられます。
デカールも厚く線もヨレヨレで格好いいものではありません。
ただし、アウトラインはドラゴンよりもはるかにシャープで当時、資料や実記に触れる機会が少ない中で良くぞといったところでしょう。
総評
一言で言えばキットそして寿命は尽きていると思います。
低価格ゆえの興味以外には特段手を出す必要性無い商品です、しかも複数機セットだと1千円を超えるため魅力も半減です。
ただしデカール買いで複数機セットを買うか、秋葉原等の中古ショップで出回っているLSパッケージのものを「お宝」として購入するのは面白いかもしれません。
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