************ ストーリー前解説 ************ |
イシケン軍の正規部隊で目覚しい戦果を上げている部隊がある。 翼に白い狼のマークを持つSu−27が長を務める チョリ方面戦闘航空軍、第8航空団、334戦闘大隊である。 彼らの部隊がキクメン軍の最新機に対しアドバンテージを持っているのは 実戦において幾つかの掟に従っているからである。 今回はその部隊で誕生した「新米エースパイロット」について話しをしよう。 |
************ ストーリー解説 ************
イシケン作 イシケン軍 Su−27です。 やっぱり黒豹でしょ。 そういって、胸を張るのは先日の出撃で1.25のスコアを挙げ エースの仲間入りをしたラスア・シバレルヤ出身の「キィロ」中尉である。 彼はトータル5.25のスコアを得た事によって 自身の機体に「パーソナルマーク」を持つ権利を与えられたのである。 これが彼の属する部隊のしきたりである。 隊の長は自らの機体に白い狼のマークを入れ、部隊は狼一家のニックネームを持ち、 すでに複数のエースパイロットを輩出している。 「お!!念願の豹柄機、遂に完成か、しかし一年近くかかってないか?」 隊No2が「エースとなった」彼をからかう。 「すみません結構かかってしましました・・・お恥ずかしい限りです」 キィロ中尉はエースパイロットどころか、未だ下っ端といった感じだ。 その秘密は彼のスコア小数点以下の数値にあった。 狼一家は敵機に対して必ず複数で当たることを戦術の基本としていた。 時には1機に対して4機で凧殴りにしたこともある。 よって、彼同様にエース直前のパイロットはこの部隊では普通に存在し その多くが小数点以下の端数を持っている。 No2の男が気を引き締めるように新前エースに話し掛ける。 「今後は派手なマークを餌に囮役をやることになるんだ、鍛錬は怠るなよ」 「了解であります」 やはりキィロ中尉は背筋を伸ばして緊張している方が似合っている。 敬礼を解き、自分の機体を見つめるとその緊張の一気に解け 玩具を手にした少年の顔になってしまうのである。 エースとなったキィロ中尉と愛機の戦いは新しい段階へと入った。 |