【 ビジネス奮戦記 】

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仕事が欲しい。
これからは仕事を取ってこなければならなくなった。
というわけで、ここはそんなキクメンのビジネス奮戦記を書くぞというコーナーだ。

出来ればこれを見て「 ホウ、このキクメンという奴に仕事をさせてみたいのう 」という、
素敵な事業主や会社のエライ人がいたら素敵、などとありもしない妄想を抱いていたりもする、
ちょっぴり悲しく情けないコーナーでもある。

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ビジネス奮戦記ファイルその4

〜 ピンからキリまで1 〜

2003年3月21日執筆

これまで、結構いろいろなシステムプロジェクトに参加してきて思うことがある。

それはあちこちに行ってしみじみ実感痛感したことだ。

結論から書くと ナンダコリャ? マジですか? というレベルの人達の存在である。

誤解しないで欲しいのだが、自分だってそれほど大それた技術者ではない。
自分よりも優れた技術者は世の中にゴマンといることだろう。

でも、それでも最低限コリャないだろう、というくらいのハードルはちゃんとこえているつもりだ。

もちろん経験の浅い新人というのならばそこまでのことは問わない。

しかし、ここで述べたいのは、一流企業からそこそこのお金を払われてきているのにも関わらず、
オイオイ冗談だろう? という人達のことである。

具体的に例をあげて書いてみよう。

とあるシステムでの話である。
私は追加支援で任地へ赴いた。

そこは IT 企業として世界に知られる天下の I 社がガチガチに固めていたシステムで、
I 社は専門の部屋を割り当てられていた。

さて、仕事を進めていくうちに、データベース周りで疑問を感じ始めたので、
その部屋に入って担当SEに質問をしにいった。

すると、その部屋に入るやいなや目に飛び込んできたのは、
机に置かれた 「 オラクル データベース ビギナーズガイド 」
と、書かれた本であった。

オイオイオイ、ちょっと待ってくださいよ。
こんなもんこんなところに置いておいたら、お客さんも不安に思うだろう。

しかも全然読まれていないくらいピカピカで帯つきじゃんか。

だんだん自分は不安になってきた。

で、さらにプロジェクトは進み、自分は大量データの移送プログラムを書きあげ、
本番テストを実行した。

そうしたら 「 読み取り一環性、スナップショットエラー 」が出た。
いわゆるロールバックセグメントの不足である。

インサートプログラムでコミットタイミングをパフォーマンスを優先するために、
ループの外に書くなど、あたり前過ぎる措置だ。

ただ、あまりにも膨大データの場合は、数万件に1度の割合で、
コミットタイミングを設けたりするが、この場合は5千件程度で、上記エラーが出た。

サーバマシンスペックはかなり豪勢なので、これくらいでセグメントオーバーするはずはない。

で、こちらで調査してみたら明らかに容量が小さい。

で、早速例の部屋に行って、担当SEにロールバックセグメントを増やしてくださいな、
と、言いに行ったところ、こう切り返してきた。

「 何をいってるんですか? ロールバックセグメントを増やすには、
データベースを再構築、再作成しなければならないじゃないですか! 」
だそうだ。

これには開いた口がふさがらなかった。

テスト用の表領域を一時的に作り、それを大量データのインサートバッチ処理時用の、
ロールバックセグメントに割り当てることなど、ルーキーのDBAでも、
知ってて当たり前のことである。

しかもこっちはDBAなどではないプログラマーである。
そんな自分でも知ってることを知らないというのは、
このシステムが本格稼動したらかなりヤバイことになるなというのは自明の理であった。

あまりにもあきれたので、こちらのリモート端末で上記の対処を施して、
プログラムを実行した。

もちろん問題なくプログラムは正常終了した。

その後、その担当者は「 うまくいきましたね! どうしたんですか? 」
と、これまた少し見ていればそっちでも分かるのに、聞いてきた。

説明してもややこしくなるだけなので、
「 プログラムを工夫しました 」
とだけ答えておいた。

さて、我々は残業をすることなく、大体定時通りに帰っていたが、
どうにも I 社の社員はお客さんと一緒に夜遅くまで残業していた。

相当大変なんだろうなと思っていたが、
お客さんの担当者さんが言うには、こちらの要求を全然理解していない、
作っても見当違いな物が出来てくる、と、不平をもらしていた。

そんなセリフを耳にする日が続き、我々に割り当てられた部分も終了し、
そろそろ撤退する日が近づいてきたある日のことだ。

I 社の課長クラスの人がやってきて、何やらあまりよろしくない面持ちで会議室に入っていった。

案の定、期日までに物が出来なくて、それについて客側からクレームがいったのだ。

後日、話を聞くと、I 社は、客がハッキリと要件をまとめないから悪い、と言い、
お客さんも開いた口がふさがらなかったそうだ。

結局予算超過、期日超過で、システムを完成させたそうだが、
後日お客さんの担当者は結局会社をやめたそうだ。

我々が仕事をきっちり終わらせて撤退する時のその担当者さんの挨拶で、
「 本当なら全部そちらにまかせたかったのですが、上層部での決め事ですから・・・ 」
「 これに懲りずにまた来てくださいね 」
のセリフが今でも印象に残っている。

しかし、このセリフは後日、別の仕事で、別の人からもう一度聞かされることになる・・・



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