【 我が軍 勝利 Vol.3 】



ほとんど週末定例イベントになりつつあるC21:キクメン小隊誌であるが、
C21が用意しているシナリオとは全く無関係、的外れな作戦行動に小隊長キクメンは疑念を抱き始めていた・・・

最近つくづく思うのだが、俺達の作戦任務って戦局全体にとって一体どれ程の価値があるのだろうか。
貴重な時間の浪費でしかないんじゃないかという思いが最近脳裏をよぎるのだ・・・
(おいおい隊長自らが戦闘員の前でそんなコト言っちゃダメだろ・・・)

隊長!そんなコトありませんよ!
そうですよ、隊長!我々の任務は常にこの戦局にとって重要な鍵となっていますって!

・・・そ・・・そうかなぁ・・・
そうですよ!!
一体何を根拠にそんなに自信を持って言えるんだ・・・

(ガサゴソ・・・)【ジャーン!】 見て下さいコレを!さっき辞令が届いたんですよ!
なんと今回の任務は作戦遂行上実に重要なキーストーンの収集が任務ですよ!
このキーストーンはただの扉を開けるだけの石じゃないことが最近の研究で明らかになったのです!
非常に重要なある役割を担っているんですよ!そんな重大な任務が我が隊に与えられたのです!
これこそ我々が上層部から高く評価されている現れですよ!

そ・・・そう・・・なの!?
そうですよ!
そうか!
そうですよ!
そうかーー!!!
そうですよーーーー!!!!

ところでさ、そのキーストーンの持ってる重要な役割ってなんだ?
ただの扉石でしかないとばかり思っていたんだけど・・・

それは・・・辞令書には書いてないから分りません。
書いてないのになんで重要な役割を持っているって分るんだよ。
まぁまぁ隊長、隊長なんだから細かいこと気にしてたらダメですよ。
そうですよ隊長、細かいことより任務任務!早速行きましょう!

・・・そ・・そうかなぁ・・・

ホレ、レッツゴー!!

最後はほとんどハイキング、ピクニック気分のノリであったが、
今作戦の主要任務:キーストーン収集はそれほど危険が伴う任務ではなく、
単にひたすら石の採取であるため、キクメン小隊一行はいつもの緊張感から解放されていたのであった・・・



作戦開始から数時間後・・・


全員無事か!
イエッサー!
オウよ!
よし、ひとまずこれだけ採取したらもう十分だろう。
皆御苦労であった!


それにしても・・・・

なんともまぁ壮観なものだなぁ・・・
あぁ、いつも扉を開けるだけの分しか取らねぇし、そもそもこんなふうに地面に置くこともねぇからな。
きれいですね隊長・・・
クニのおっかさんにも見せてあげたいなぁ・・・

・・・そうだ!全員この柱に登れ!
せっかくだから記念写真を撮るとしよう!

え?いいんですか、隊長?
なに、これくらいは構わないさ。
たまには言いこと言うじゃねぇか、よーし!んじゃ登ろうぜ皆!
おー!

いや〜・・・絶景絶景まさしく壮観じゃねぇか。これが全部お宝だったらなぁ〜
キレイですねぇ〜ホント宝石のようですよ〜
ホント、これがホンモノの宝石だったらなぁ・・・・

( ツルッ! ) うわっ!!

あ!隊長!
隊長!


オ・・オイ!大丈夫か!
隊長!大丈夫ですか!?隊長!!

あ・・・ああ、あまりにも眩しく光ってるもんだから足元のコケに気がつかなかった。
おいおい、しっかりしてくれよ。ってかお前どこにいるんだよ?
隊長!どこにいるんですか?隊長!

え?オレなら君らの前にいるぞ?
前ってどこだよ。見えないぞ。
隊長、我々には隊長のお姿が見えません。
キーストーンに埋もれてて見えません。

【 ピキーン! 】 ・・・! そうか! 分ったぞ!!

分ったって何が分ったんだよ。
キーストーンの隠された重要な役割ってヤツが分ったんだ!

???

フフフ・・・


・・・潜望鏡あげーい・・・( ニュッ )

あ、ビームガンの先っちょが見えた!
そこにいたんですね隊長!

フフフ、そうとも。こうでもしないと分らないだろう?

・・・そうか!S型の機体は完全にキーストーンに埋没するんですね!
これならめくらましとして奇襲作戦などで色々と応用出来ますね!
ホウ!そういうことか!


そうとも、ホラ、この通りキーストーンに隠れながら狙撃することも可能だぞ。
フフフ、気分はまさに潜水艦乗りってところだな。

うわわ!隊長、う・・撃たないで下さいよ!?

フフフ・・・

( さらに ピキーン! ) ん、ひらめいた!

なんです?
どした?

うむ、今からこのキーストーンを黄色と黒、別々に配置してみる。

???

隊長・・・それは一体どういう・・・

まぁ見てなって。


うわー隊長、見事にきれいに並べ替えましたねぇ〜・・・・
なんだかお花畑か鳥そぼろ弁当のようですよ。

ウ、ウム。 ( ・・・ )

ところでこの並べ替えには一体どのような意味が?

フフフ・・・コレか?これにはな・・・


ホラ、こうして横から見てみると。この機体のカモフラージュ効果がハッキリ分るだろう。
うわーー!ホントだ!これはスゴイ!ほんとに分らないです!!
だろう?
それを確かめたくて分けてみたんだ。

なるほど〜・・・・でも隊長、特に分けなくても見えにくいことには変わりないですよ?

・・・

・・・

・・・す、すいません隊長、今のは失言でした・・・

いや、いいんだ・・・・

多分、なんとなく並べ替えたらキレイかな〜って思ったのも事実だから・・・





こうしてキクメン小隊は今回も無事に任務を達成することが出来た。

調査の結果、謎であったキーストーンの重要な役割も判明し、これは戦局に大いに寄与することだろうと彼らは思ったが、
実際これだけの大量の石をどうやって前線に持ち出すのか、しかも相手に気付かれずに、
という重要な部分には誰一人気付いていなかったようだった・・・


キクメン小隊の戦いは続く・・・