【 サンプル・シナリオ 】
俺は真の漢なので、いさぎよく去る
◆◆◆ 出撃 ◆◆◆
当たり前のことだが、出撃を前に、平静を装うのは難しい。
ましてや初めての出撃だ・・・
ひょっとしたら、
いや、
確実に明日オレは殺るか殺られるかの世界に飛びたつのだ。
ブリーフィングで始めて味わったあの空気。
正規の軍隊とは違う、
傭兵パイロットどもが集まる野獣の殺戮プラン。
まさに獲物を狩る獣のようにギラギラ目を輝かせる者、
冷酷に刺すような視線を向ける者、
狼狽し、あきらめと絶望の眼差しを床に落とす者、
それら全てがオレを萎縮させるには充分すぎた。
明日、オレは狩るものになるのか、
それとも狩られるものになるのか。
ブリーフィング・ルームを後にし、
ふと夜空を見上げると、
漆黒の夜空がまるで俺を飲み込むかのように、
ポッカリと口を開けて待っているように見えた。
今夜、どうすれば眠れるだろう・・・
・・・
時間は冷徹に時を刻み、
永遠の苦痛とも思えた待機時間はやがて終焉を告げた。
気がつけばオレは乗機とともに滑走路上にいて、
ゆっくりとタキシングし始めていた。
難度も繰り返してきた動作だが、
悲鳴にも似た心臓の鼓動だけがいつもと違う。
It's Cleared for take-off.
Good hunting !!
グッド・ハンティングかよ・・・
そいつぁクソ食らえだ。
オレは内心舌打ちしつつも、
スロットルを全開にし、
アフターバーナーを点火し、
抜けるような青空に溶け込んでいった・・・
もう・・後には戻れない・・・
そういう一歩を俺は踏み出してしまった・・・
俺は真の漢なので、いさぎよく去る