【 アホンダラ達の空 】

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◆◆◆ シケったエグゾセ ◆◆◆

ここは偏狭、極東の大平原。
わずかばかりのエネルギウムに、儲けを企む企業がこぞって群がるところ。

そんなトコだから、ココはオレのような出稼ぎパイロットが結構いる。

オレの国は産業も発展してなければ、エネルギウムみたいな資源もない、いわゆる貧しい国だ。

オレはそれなりの中流家庭に生まれ育ち、オレなりに努力して空軍パイロットになったんだが、
ここ最近防衛費削減とかで軍からはお払い箱になってしまった。

だから同じようにお払い箱になった仲間とあれこれ考え探しだした結果、
こういう場所で雇われパイロットとして各地を転々と出稼ぎ渡ることになった・・・

「 おい、聞いたか? こないだエライ数のエグゾセが入荷したらしいぞ。しかもかなり安いらしい。 」

「 おいおいこんな極東の地で、しかも今頃エグゾセかよ。 こんなとこでそんな旧式対艦ミサイルを一体何に使うってんだよ? 」

「 別に対艦ミサイルだからって船相手に使わないといけないルールなんてないだろう。
取り合えずホラ、例の無人採掘基地の破壊にはもってこいじゃないか? 」

「 あ、そうか・・・それもそうだな。 対艦ミサイルならあのとんでもなく堅い無人採掘基地を破壊出来るかもしれないな。 」

「 だろ?しかも他の連中のと違って、オレ達の機体ならそのまま使える。 こりゃ買って使わない手はないぜ!? 」

「 そうだな、よし、早速ハンガーへ行ってみよう! 」



<<< 戦闘機にミサイル、日用雑貨まで手に入る個人商に割り当てられているハンガーにて >>>

「 なぁおっちゃん、エグゾセいっぱい入ったって聞いたんだけど。 」

「 エグゾセ?なんだそれヨォ。 」

「 え?ホラアレだアレ、対艦ミサイルのデッカイ奴。 」

「 あぁ、あれか、あれならヨォ、倉庫にたくさん余ってるヨォ。 」

「 あんなデッカイミサイルが随分安く流れてたんからヨォ、こりゃ売れるべやって思ってたんけどヨォ、
ココの連中の機体じゃ付けられねぇってんでヨォ、余ってんだヨォ。ちょっと失敗したヨォ、ウン。 」

「 オレ達の機体はそれ使えるんだ、だから貰ってくよ。 」

「 アンだ、そうかヨォ。負けとくから持ってってくれっとヨォ、助かるヨォ。 」

「 うん、でおっちゃん、コレ幾らだい? 」

「 全部で○○○でエェヨォ。 」

「 え?そんな安いの?そりゃ何だか悪いなぁ。 」

「 あぁ・・ただヨォ、信管がシケッてるのが多いらしくてヨォ、うまく爆発しないのもあるってっからヨォ、あんま期待すんなヨォ。 」

「 え、そうなの? そうか、通りで安いわけだなぁ・・・ 」

「 どうする? 」

「 まぁこんだけ買って○○○だから買ってみるか、当たりが出れば儲けってことで。 」

「 そうだな、買ってくか・・・ 」



数日後

この部隊でちょっとした「賭け」が流行した。

その賭けとは、上の二人が買ったエグゾセが、出撃したときにアタリが出るかハズレが出るかを賭けるというものだった。

「 さてと・・今日はアタリが出るかな? 」

腹にエグゾセを抱えたシュペールエタンダールがタキシングに入る。

管制官: 「 クリアード・フォー・テイクオフ、今日は頼むぜ、アタリに賭けたんだからよ! 」

「 ハハ、そんなのエグゾセに言ってくれよ、かれこれ9発撃って、まだ一発もアタリが出てねぇんだから。 」

「 じゃ、いくぜ! 」

管制官:「 グッドラック!当ててくれよ! 」



腹にエグゾセを抱えたシュペールエタンダールが咆哮をあげ、大海原の空ではなく、緑の大平原の空へと消えていった。

パイロットはふと、エグゾセが海の上を飛び艦船を狙う目的を与えられないことに対して、無言の不平を言っているような気がした・・・



◆◆◆ 製作者:キクメン 「 シュペール・エタンダール 」 ◆◆◆













◆◆◆ キット解説と製作後記 ◆◆◆

キット紹介記事は コチラ を読んでください。

アカデミー製 1/72 シュペール・エタンダール

ネットでは胴体が太い、イマイチ似てない気がする、などと評価されておりますが、
実機写真を見てみると、確かにそんな気がします。
多分胴体中央部に微妙なくびれがないからかな?とも思いました。

さておき、作りやすいキットです。
パーツの合いはなかなかに良好でストレスなく組みあがりました。
また、スジボリも浅いけれど細くシャープで国産キットのようです。

いまひとつパッとしないボディデザインですが、なかなか良い感じに仕上がりました。



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