【 アホンダラ達の空 】

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◆◆◆ バディ・バディ vol.1 ◆◆◆

「 ヤヴァイ、絶対にヤヴァイ。 」

いつになく、彼、ヴィクトール・カラシチョフはあせっていた。

先週、確かに発注しておいたハズの空対空ミサイルがパイロンにセットされていないのである。

「 あぁ・・ヤヴァイ・ヤヴァイ・ヤヴァイ!これから定時 勤務 飛行だってのに!」

任務ではなく勤務なのは、彼が所属しているのはラスアの民間企業であり、軍ではないからである。
また、定時勤務飛行の直前キャンセルは結構な額のペナルティ料を払わなければならない。

「 おいおい、どうしたい?カラシよ 」

「 あ?あぁ・・同士、ワサビロフか・・・ 」

「 なんだオイそのシケたツラは、いつものピリッとしたツラ構えのお前らしくもないな。 」

「 それがよ、ま、見てくれよオレの機体をよ・・・ 」

「 うん?・・・いや、一見よく分からんが・・・機体トラブルかなんかか? 」

「 いや、機体はいたってピリッと快調さ、しかしな・・・しかし肝心の保険がついてねぇんだ。 」

「 んー?保険?・・・って、あ!ついてねぇ! お前、空対空ミサイルはどうしたんだよ? 」

「 先週確かに発注しておいたんだけどよ、ついてねぇんだよ、整備兵に言っても届いてないって言うしよ!
ちきしょー!ヤヴァイって!最近ここいらも迎撃機に出くわす機会が増えてきてるってのによ! 」

「 マジかよ同士・・・

・・・よし、分かった!・・・そういうことなら協力するぜ! 」

「 ・・・? 」

「 オレも一緒に飛んでやる、オレのはまだ賞味期限内の保険が2発残ってるんだ。
2機編隊(バディ・バディ)で飛べばそうそう、うかつには手出し出来ないだろう。 」

「 おお!・・・同士ワサビよ! 」

「 まぁ気にするな、確か既定の定時勤務外飛行は燃料は自腹だが、
敵企業の無人採掘マシーン破壊につき、ボーナスが出るはずだからな。 」

「 おぉ・・・同士ワサビよ・・・いや!燃料代だけでも払わさせてくれ、君はオレの命の恩人だ! 」

「 そうかい?それじゃぁ出来れば人間の燃料もおごってくれるとありがたいんだが。 」

「 もちろんだとも、無事帰ってきたら胃が焼けるまでウォッカを飲もうじゃないか! 」

「 ようし、民主主義的な取引成立ってことで、行くとするか! 」

「 ダー! 」



アタマカタイ砂漠のような最重要激戦区とは違い、確かにここは偏狭で、
使われる飛行機も旧式で、パイロットもロートルか二流かハミダシ者達ではあったが、
階級には絶対、命令にも絶対の正規軍とは違い、ある程度自由なところがあり、
そのことがこの地に集うパイロット達には居心地の良いものでもあった。

そして、偏狭の地の空は、今日も抜けるように青かった・・・



◆◆◆ 製作者:キクメン 「 Su-25 フロッグ・フット 」 ◆◆◆













◆◆◆ キット解説と製作後記 ◆◆◆

キット紹介記事は コチラ を読んでください。

ツクダホビー製 1/72 Su-25 フロッグ・フット

えー・・自分自身にかなり頭にきました。

きちんと塗った空対空ミサイルを捨ててしまいました。

完璧パーペキに記憶も注意力も飛んでいました。

ちゃんと塗装しました、スミ入れもしました、その後安心して飯食って、風呂入って、
デカール貼って、「 さ、爆弾取り付けよーっと 」と作業して、
最後の最後に気付きました。

さんざん探したあげく、もしや、まさか、まさか自分に限ってね・・・
と、思って3重にくるまれたゴミ袋を漁ったときのことです。

塗装後、シンナーたっぷり染み込んだティッシュを別のゴミ袋に、
3重にくるんで入れて捨てておりまして、その中に一緒にミサイルも入っており、
とりだしたところせっかく塗ったミサイルは、ベトベトヌラヌラで溶けておりました。

もうこれまでの製作後記とかなんだとか(キャノピー水滴事件とか・・・)は吹っ飛びました。

( ちゃんとエアインテークの中をフチを残してマスキングなんぞして塗ったのにね・・・ )

今回ばかりは口から血が出るくらいグーで自分を殴りつけようかと思いました。

1日で塗装完了させようとするからこういうことになるのでしょうか。

それともオレの脳はもう既にシンナーとプラの粉で死んでいるのでしょうか?

北斗神拳蓄積ダイオキシンパーレンセイハサンライトイエローオーバードライブシュートでしょうか?

誰も救ってくれません。

自走はしません。

接着剤、電池、モーター、メイドは別売りです。

そういうわけでカラシチョフ君には悪いけど、君の空対空ミサイルは産業廃棄物になってしまいました。

製作過程(ツクダ製とのキット比較)は コチラ を読んでください。




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