【 アホンダラ達の空 】

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◆◆◆ ある晴れた休日 ◆◆◆

トントントン・・・・ジュワ〜〜〜〜・・・・・
カチャカチャ・・・・

妻が朝食をする準備で目が覚める、昨夜は仕事で帰宅が遅くなりとても眠い・・・・
休日返上で出社し、今日はゴールデンウィーク最期の日、
やっと休みが取れたと言うのにコレじゃなにか損をした気分だ。

時計の針は・・・・オイオイ、なんてこった、未だ午前5時じゃねェか!?
いつもは早い出社の時にはテーブルの上に2千円(弁当代)がメモと一緒に上がっているくせに、
なんだって今日に限って早起きなんてしていやがるんだ?

ブツブツ文句を言いながら再び頭から布団を被ると睡魔が襲ってくる・・・・・

「春眠暁を覚えず・・・な〜んてな・・・グウ・・・・」

暖かい布団の中で丸くなって馬鹿な事を考えながら眠りにつく、
先月買い換えたばかりの新品の羽毛布団と枕は、快適な眠りへいざなってくれる、
(今日はメシも喰わないで寝てやる・・・・)

朦朧とした中、最期に意識した思いと裏腹にそれはやってきた・・・・・・・

『どっし〜ん!!』

「ぐはァ!!!?」
「☆おとうさんおはヨー!!」(明るく元気な声で読んでみよう!)
「な、なんだなんだーっ!?」(泡喰ってビックリな感じで読もう)

突然、娘が無防備な身体の上に飛び乗ってきた!
俺はナニがなんだか判らずに跳ね起きる。

「な、なんだ? ナニが一体どうした!?」

上体を起こし、未だ身体の上にのっかている娘の両肩を掴み、ガクガク揺らしながら尋ねる、

「あわわ・・・おとうさん止めて、痛い!」

その声でハッと我に返り手を止める、一呼吸おいてから再び尋ねる、

「どうしたんだ、洋子!? ナニかあったのか!?」

キョトンとした目付きでコッチを見ながら娘が・・・・・

「おとうさァん、もう起きなきゃまたおかあさんに怒られちゃうよ?」
「なんで・・・おとうさんが怒られるんだい」

訳がわからないというような顔で尋ねると、娘が肩に下げたポシェットに手を突っ込み、紙切れを見せる・・・・・

「ほらァ・・・今日は出かけるって言ったじゃない・・・・・・もしかして忘れちゃったの?」(半ベソ感覚で読んでみましょう)

半分涙声で訴える、その小さな手にはチケットが握られていた・・・・・

「あ☆」

そうだった、今日は俺の大好きなドッグファイトサーカスの開催最終日・・・・・・
ゴールデンウィークの3日前に漸く手に入れたチケットだった。

連休初日に家族で観戦に出かけるはずだったのだが、急な仕事で今日まで延期になっていたのだった、
その間、娘を何処にも連れて行ってやることが出来ず、妻からは責められ、娘には泣かれ・・・・
世間一般のお父さん方にすれば、真に辛い思いをしてきたのである・・・・・・

そして昨日、漸く仕事が片付き、休みが取れたのである。

「明日は皆で出かけるゾ〜」

このたった一言で娘はおおはしゃぎし、妻の機嫌も直り、
父として夫として・・・・漢として面目を保つ事が出来たのである!

それを忘れて仕事が忙しかったのにかこつけ、一日を寝過ごそうなんて・・・
俺はなんて大馬鹿野朗なんだ!

自分で頭を小突きながら娘に謝る・・・・

「ゴメンゴメン、今直ぐおきて支度するから勘弁な?」
「ウン、早く支度してでかけよう、でないと良い席無くなっちゃうョ?」

ませた事を言いながらニコニコ顔で部屋を出て行く娘・・・・・・
後姿を目で追いながら着替えを始める。

「アブねえアブねえ・・危うくカミサンにどやされる所だった・・・・」

娘に助けられ(情けねェ・・・) チョイと早い時間だが家族団らんの朝食を済まし、そそくさと会場に向け出発する・・・・・
しかし・・・・好事魔多しとはこの事だった・・・・・・・・・

週末に出かける近所の飛行場の草レースとは違い、今日はビックゲーム・・・・・・
トンキオベイ・安浦フロートエアポート(ドッグファイト専門の競技場)までは高速を使って約2時間の道のりである・・・・

迂闊だった・・・・今日は大型連休最終日・・・・Uターンラッシュに加え、ドッグファイト観戦の為に
尋常ではない交通量に高速に乗ってから車は10mと進まなかった・・・・・・・

「アナタ、もう諦めて高速降りましょう?」
「いや、意地でも行ってやる、でないと洋子が可哀想だ・・・・・」
「でも・・・・・」
「でももナニもねェ! 折角の最期の休み、無駄に出来るかってんだ!」
(う〜ん・・決まった、俺って漢ォ〜・・・・・・)

その刹那、いきなりグーパンチが俺の顔面を襲った!

「いってェ! グーで殴ったな? グーで!?」
「あのねェ、後ろ御覧なさいよ! 疲れてすっかり眠っちゃっているのよ? かえって可哀想じゃない!?」
「・・・・・・」

言われてみれば確かにそうだ、実際会場に到着するのは何時になるか想像もつかない・・・・・・

「ハイ、判りました・・・・・」

素直に妻に従いそれから40分かかって漸く高速を途中で降りた・・・・・・
目を覚ました娘に訳を話し、とっくりと言い聞かせる・・・・・
家の近所の飛行場に飛行機を見に行く事が決まり、そのまま引き返す。

数時間後・・・・・・・・・・・

さわやかな風が身体を包み込む、滑走路脇のフェンス際、芝生の上にシートを広げ弁当に舌鼓を打ちながら、
ノンビリと飛び立つローカル国内線のプロペラ機や個人所有の軽飛行機を眺める・・・・
(引き返してきてヨカッタな・・・・)
余裕の気分で妻とはしゃぐ娘を見つめる・・・・・・・・・・
ドッグファイトを観戦しそこなったのは残念だが、そんなに悔しいとは思わない、
それにはちょっとした訳がある・・・・・・・・

引き返してから直ぐにいつもの草レースがある飛行場に向かった、
馴染みのターミナル員と鉢合せ、事の顛末に苦笑いしていると、それならとハンガーに案内される、
其処には一機の軽飛行機が駐機されており、そのターミナル員の愛機だという・・・・・

「え? いいのかい?」
「ああ・・・そのかわり今度、あの店に付き合ってもらうぞ?」
「あ・・ああ、お安い御用さ」
「おごりだからな?」
「おう、任せておけ」

ある条件と交換で妻と娘を飛行機に乗せてもらう事が出来た、なんてツイているんだ、
これで漢のカブが上がるんなら安いもんだ♪

短い時間だったが空の散歩を楽しめ娘はご機嫌だった・・・・・
騒乱の中でアホみたいに口を開け、大騒ぎして空を眺めているより
ずっと有意義な時間を過ごす事が出来た。

そんな事を思い返しつつ飛行機の発着を眺めていた、今日は此処での競技は無い、
メジャーチームが集まる方に皆行っているからだ。

「おとうさ〜ん」

離れた場所から娘の声がする・・・・・・
ふと目をやると娘が此方に手を振っている、その手には早咲きのタンポポが握られている・・・・・
よく見ると娘の周り一面タンポポ畑になっている・・・・・

う〜〜〜ん平和だなァ・・・・・・・・・・・・・
こうして一家団欒の楽しい休日を迎えることが出来た・・・・・・



・・・・・・なんだよ? 随分とジジ臭い事言っていやがるってか?
あんなァ・・・家族が居るってこう言う事だゼ?
アンタも結婚してガキ作ってみなよ、きっと俺の気持ちがわかってくるから・・・・・

そうそう、あの後娘が学校から絵を一枚持ってきたんだ・・・・・・・
この前の休みの事を書いたんだけど、まァ見てやってくれよ、金賞だぜ? どうよすげェだろ!?




なに? 大した事ねェって? 親ばかもいい加減にしろォ?
なんとでも言ってくれ、いいんだよ、そんなモンだって♪

END



あ〜〜〜・・・・・・・・
毎度稚拙な文章で申しわけ御座いませんが新作です(^^;

今回はドッグファイトの外伝形式、飛行機好きのリーマンパパのお話です、
登場する飛行機は派手さはありませんが、メジャーな軽飛行機、『パイパーカブJ3』です。

相変わらずのペパモですが、カブの特徴が良く出ているキットです、
多少ゆがんでる部分は作者のスキルの低さゆえ・・・ドウゾ御勘弁の程を(^^;

で、ストーリーの最後に出てきた、主人公の娘サンの水彩画は
今回初めて挑戦したお絵かきソフトでのオリジナル画です・・・・・・・
話しのネタに臆面もなく晒してしまいますが、設定が『小学生が描いた絵』という事ですので、
決して私、KEIの絵画スキルが低いと言うことでない事を強調して置きます(爆)
(ホントかよ、オイ!・・・・と言う突っ込みはしない様に・・・・)

では今回のキットをご紹介します・・・・・・
『パイパーカブJ3』です、出展はとある海外のサイト様・・何時も有難う御座います、有りがたく頂戴しております(ペコリ)




組み立て説明書には主翼端に糸をつけてグルグル飛ばせるとの説明が・・・(^^;




支柱と車輪周りに手を加えています

んでもって此方が初挑戦の『お絵かき』(^^;
題名は『春のタンポポ畑』です(爆)



学校名は・・・・・アホンダラにちなんで見ました

普通に紙に色鉛筆で下書き、JPEGで保存、フリーでダウンロードした水彩調のエディターで薄めに重ね塗りして完成・・・・・・
と言う面倒な方法で描きました(^^;
子供が描いたらしく仕上げるのはホントに難しいです・・・・(だから言い訳はイイって!)

気軽な感覚で使えるのでお絵かき好きな方は是非一度お試しを・・・・・
窓の杜にフリー配付として置いてあります。

なんせノースキルな私でも楽しく使えちゃうくらいですので、絵心をお持ちの方がお使いになれば
スンバラシイ作品が出来上がるでしょう。



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