【 アホンダラ達の空 】

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『裏切りの大海戦!?』

海は荒れていた、海面も空も鉛色に変色し、命の総てを飲み込もうとしているかの様だった。

その荒れた海を進む一団が有った、我が母国が誇る最強の軍団、ラスア海軍太平洋艦隊である、
目標は、元アメリア海軍所属原子力空母『レールガン』・・・・
彼らが発見した海底エネルギウム鉱床を奪い去ろうと虎視眈々と狙い続けてきたアメリアネイビーである。

アメリアが友好国に依頼していたレールガンへの説得交渉、実力行使が総て不発と見るや、
自国の国民感情を敢えて無視してアメリア軍が全軍を持って乗り出してきたのであった。

ジャプンを筆頭に経済発展国をその強大な軍事力に物を言わせ押さえつけ、傘下に収めて我等同胞を脅かす輩共・・・・
そんな連中に我が海軍が誇る軍団が負ける訳が無い、否!、意地でも屈する事は出来ないのだ!!

が、しかし、『キクメンネイビー』を隠れ蓑にして、その実自国の権利を主張している様な連中だ、油断は出来ない・・・・・・・・

突然警報が鳴り出す、レーダーが相手を捉えた様だ・・・・・・
緊張すると共に、アドレナリンが全身に行き渡る、屈強な水兵達が憤り、雄叫びを上げながら持ち場に着く。

『レーダーに反応! ブリップ・・4・・8・・・12・・・敵艦隊、ミサイル発射を確認!!』
レーダー手が叫び声を上げる!
火蓋を切ったのは敵の艦隊だった・・・・

発令所にはけたましいミサイル警報が鳴り響き、怒号の中で反撃命令と迎撃命令が交差する!
此方の迎撃ミサイルが相手のミサイルを海の藻屑に変えると換気が沸き立つ、が、
仲間の艦が直撃を受ける、炎に包まれながら味方艦が誘爆を起こし沈んでいく姿を背にしながら、
我が艦隊は尚も相手に接近を試みる。

数時間後・・・・・・・・・

数では勝っている物の、単艦での性能の差がはっきり出てきてしまった・・・・・
相手のレーダー、ミサイル誘導システム・・・どれを取って見ても我が方より優れている、
悔しいが認めざるを得ない事実だ・・・・・

其れが証拠に相手の艦隊の損失は僅か数パーセントなのに対し、
我が方は4割を沈められてしまった・・・・・・

これ以上の戦闘は悪戯に損失を招くばかりである・・・・・・
今、我等が全滅してしまうと我が母国の権利は誰が守ると言うのか!!

『ズガガーーーン!!』

激しい振動と爆発音が耳朶を打つ、しまった! 命中させられてしまった!!
艦内は阿鼻叫喚の地獄絵図だった・・・・・

ガレキを押しのけ、傷ついた仲間を担ぎ漸くデッキにたどり着く・・・・・・
傾いた甲板で見たものは・・・・・・・・

助けを呼ぶ仲間・・・燃え上がる艦体・・・傷つき、声にならない呻きを挙げる水兵・・・・・
数時間前まではあれ程屈強で頼りになる仲間が・・・・今では泣き声を上げ助けを求めている・・・・・

幾ら我が母国が誇る大型艦と言えど、あと1発喰らえば一溜まりも無く海底に没するだろう。

「万事休すか・・・・」

居合わせた皆がそう思った時・・・・・・・・・

沈没寸前で火を噴いている僚艦の爆煙の中から、霧笛を鳴らしながら飛び出して来た艦が在った、
その艦は見た事の無い新鋭艦で、ミサイル艦の艦影なのに中央部分から次々に攻撃ヘリが飛び立っていった!

その刹那、その艦が一斉に火を噴いた!

ブリッジ前部に配置された連装砲が咆哮を上げ、艦の前後からは次々に対艦ミサイルが発射された。

次々に爆炎を吹き上げる敵艦隊、あの艦に近づく敵ヘリコプターはハリネズミの様に配置された対空機銃によって蜂の巣にされた。

何と言う事だろう、あの艦はたった1艦で我が艦隊に匹敵・・・いや、それ以上の戦果を挙げたのだ!!
アメリア艦隊は散りぢりに遁走を開始したが、尚も追撃を掛けられ略壊滅状態に追いやられた。

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一帯の海域が静まり返った・・・・・
戦闘前には鉛色に染まっていた空に淡い光のカーテンが掛かっていた。

その中をあの鬼神の如く戦った艦が無傷で我等の元に戻ってきた・・・・・
現われた時と同じく霧笛を上げながら・・・しかし、その時のは傷ついた仲間をいたわるような優しい響だった。

「発光信号確認!! 『ワレ、らすああばれはちゃくカンタイショゾク、ぴろしき・・コレヨリカンタイノシキヲトル』以上!」

なんだって? そんな・・・あんな艦が在るなんて聞いていないぞ?

「再び発光信号! 『ジソウカノウカンハ カンレツヲトトノエ ワレニツヅケ タダチニ うらしますとっくキチニ キコウスル』 以上!!」

新鋭艦『ピロシキ』を先頭に母港ウラシマストックに向け我等は転進した、
この艦が居れば次は勝てる・・・と心に思いながら傷ついた我が艦隊は帰路についたのだった。

END

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「如何です? 凄いでしょう!? こんな凄い新鋭艦が在れば戦況は一転してしまいますよ!!」

しかし上層部のお歴々の表情はまったくの無関心だった・・・・・
中には秘書とゴニョゴニョとナイショ話をしている者も居る始末だった。

「君・・・・・ねえ・・・」

重たい空気を払拭するかのように設計局長が口を開いた・・・・・

「本気でこんな艦を建造するつもりなのかね?」
「は、ハイ、局長・・・現在我が国の経済状態では新規の建造は難しく、なれば建造途中の・・・」
「いや、皆まで言わんでも良い、貴君の母国の経済状況を鑑みての今回の計画案、嬉しく思う」
「で、では早速にも海軍省に・・・・」
「待ちたまえ」
「は?」
「この計画は白紙だ! なにが『新鋭艦ピロシキ』だ! 唯のスクラップ寸前の艦のリサイクルじゃないか!!」
副局長が怒鳴り声を上げる。

そんな・・・私は無駄に棄ててしまう艦を忍びなく思い、又我が国の経済状況を熟慮して・・・
言いかけた時に局長が再び口を開いた・・・・・

「まァまァ、同志、此処はひとまず穏便に、若者一人を我等年寄りがよってたかって責めるのも・・・・・」
「はあ、しかし局長・・・・・」

局長は踵を返し言った。

「貴君は確かに有能な人物だが、ジャプン駐留が長過ぎた様だね?」
「はァ、しかしたった5年です、母国の将来の為ならば決して長いとは・・・」
「フム、良い心がけだ、しかし君、この計画艦は趣味色が強すぎるよ・・・・・・ジャプンの悪い影響だね」
「え? なんの事でしょう?」

すると設計局長はファイルに目を通しながらこう告げた・・・・・

「情報は入って来ているよ、駐留の翌年よりジャプンのアニメに傾倒、帰国後も衛星放送やインターネットを通じジャプンの番組を視聴し続け・・・・・」

その後局長の口からは次々と俺の私生活や趣味云々に到るまでの報告が読み上げられた・・・・
結局、俺の懸案は却下された、確かに建造中の艦の改装案は了承されたが、通常ミサイル艦を強化するに留まった。

で、設計局委員会に提出したプロモーションビデオは散々の悪評を得てしまった・・・・
『こんな下らんアニメに幾らつぎ込んだ?』だの『君は映画監督に向いている』だの、酷い言われ様だったが、
どうせ却下された案件なので秘匿性も機密性も無かった、
ヤケクソでインターネットで公募していたオリジナルビデオ選考会に出展してみようかな?

なあ、ジャプンの模型好きの同志諸君、これってどうよ?

ホントにEND

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あ〜〜〜〜〜〜多くは語りません、先ずは御覧あれ、ラスア新鋭攻撃ヘリコプター空母『ピロシキ』です


劇中ではアバレハチャク艦隊から移籍したウラシマストック基地の新鋭艦と言う事に・・・・


『旗艦』では御座いますがその強力な兵装から
艦隊のしんがりを任されております。


強力な連装砲に加え垂直ミサイルランチャー、固定角ミサイルランチャーを搭載・・・・
趣味色全開で作ってみました(^^; 計画艦のモックアップと言う事で(爆)


本来なら『巨艦大砲主義』で作って見たかったのですが、
その『砲』を作る技術が無かったのでミサイル攻撃ヘリ空母に変更!
ブリッジ後部にも連装砲を装備しても良かったでしょうか?(オイオイ)


え〜元ネタはとあるサイト様でフリー配付されていた旧ソビエトミサイル巡洋艦、
キーロフ級『フルンゼ』・・・・甲板は自作オリジナル、上部構造物は元のキットを切り張り、再編成・・・
垂直・固定角ミサイルランチャーは同サイト様で配布中のミサイル艦『スラヴァ』級から移植


今回の関連作品群・・・・・・
依然造ったジャプン艦隊と記念にパチリ(←アホウ)
残念ながらラスア艦隊とジャプン艦隊のスケールが違います(涙)

最初はフルンゼを普通に組んでみたのですが、
あまりにも情けない出来上がりに思わず『ネジリンボウ』※
(※キクメンさん語録より抜粋、失敗作を怒りと共に処分する事です)

・・・にしようとしたのですが、あまりにも勿体無く、今回の様に仕上げて遊んでみました(^^;

あ〜〜〜〜〜モノはぶつけないで下さい(爆)
造った者勝ちって事で勘弁してください(いいのかなァ?)

さて、架空艦シリーズのしんがりは次回登場予定、コッチも趣味色前回でアホンダラしますのでヨロシク!!



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