【 アホンダラ達の空 】

ドッグファイト・サーカス の入り口へ戻る

アホンダラ達の空 の入り口へ戻る



◆◆◆ 《 親父の苦悩!?(ちびっ子ママは大忙し続編)》 ◆◆◆

--- ドッグファイトサーカス外伝 ---

俺の名前はベン・ミラー、 この辺りじゃチョッとは名の通った航空機エンジニアだ。

俺には娘が一人いる、名前はジェシー、コイツが別れた女房にそっくりで、気が強いと言うか、
オヤジをオヤジとも思わないと言うか・・・・兎に角とんでもないジャジャ馬娘で、
俺も父親としては頭を抱えている所だ。

で、隣のシートに座って呑気にムヒヒな雑誌を読みながら鼻歌なんぞを歌って居やがるのが、
居候のディック、3年ほど前に家の工場に転がり込んできて『弟子にしてくれ』なんてぬかしやがった。
(その割にゃでかい態度だな・・・・)

整備士としてのスジは良い方なので丁度人手が欲しかった事もあって、
給料は格安、寝泊りはハンガーでと言う条件(雇用審査委員会に知れたらえらい事)で
弟子と言うかまァ、従業員だな、うん。
(寝泊りとメシはタダだからまァ、良いだろう、給料の他に時々小遣いもやってるし)

今日はこれからオレンジ畑で使っている小型双発機の修理依頼を受けて、
こうして現場まで飛んでいる訳だが・・・・・・

「う〜ん・・コイツもかなりガタがきていやがるな・・・」
「仕方ないっすよ、なんせだましだまし飛ばして居るんですから」

スケベ雑誌のページをめくりながらディックが言う。

「だましだましとはなんだ、俺が修理した飛行機はナァ、そこいらの・・・・」
「はいはい、新品より調子が良いって言うんでしょ?」
「解ってりゃァ良いんだよ」

そうさ、俺が手をかけた機体は・・・・・・・

「でもね、親方」

スケベ雑誌のページを閉じてディックが言う。

「あん?」
「流石に10年近くも使えば、そりゃガタが来るってモンですよ?」
「ぐ・・・・」
「ジェシーも言っていましたよ、『新しいの買うだけの蓄えは在るのにナンで?』って」
「う〜〜む・・・」

俺は答えに詰った、まさかこのオンボロで、初めて別れた女房とデートしたなんて・・・・
今更恥ずかしくって、誰にも言える訳がナイ・・・・・

・・・・なんだよ? 照れる歳でもねえだろうってか?
フン、漢の心の奥なんか誰にでも簡単に解ってたまるかよ、
複雑なんだよ、繊細なんだよ、漢のハートってのはだなあ・・・・・

「・・・・かた・・・親方ァ〜〜〜〜〜〜!!」
「あ・あん?」

ディックの金切り声で俺は我に帰った・・・・・なんなんだ? 女みてえな悲鳴を挙げやがって・・・・

「機首が落ちてますってば〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「おっとっとっと」

足を踏ん張り思い切ってスティックを引き機を反転上昇させた、
まるでドッグファイトさながらのアクロバットに、ディックのヤローが気を失ってしまった。

あぶねえあぶねえ・・・つい物思いにふけっちまった
危うく丘の上の高圧線の鉄塔にぶち当たるとこだった。

「あ〜あ、のびちまいやがんの・・・胆のちいせえヤローだ」

其のアクロバットをやらかして直ぐに、機体の異常を知らせるアラートが鳴り出す。

「あ〜・・今ので何処かイカレやがったな・・・どこか降りれる所は・・・」

なんせボロだから仕方がない、幸いコノ辺りは地面の道幅も広いし、
緊急時には降りても良いことになっている、
なんとかガス・スタンドが見えるところまで飛んで其処に降りるとしよう・・・

あ〜〜あ、2日で帰る予定だったのに・・・こりゃ1日延びそうだな・・・・

またジェシーのヤツが五月蝿いぞ、ナニ言われるか判ったモンじゃねえ。

仕事が遅れてクライアントの嫌味を聞くよりもソッチの方が頭が痛い・・・・
(早く大きくなってさっさとヨメにでも行っちまえ)

心の中でそう・・・・な、なんだよ? 心にもない事言うなってか?(ドキッ!!)
ふ・ふん! 俺の好きにさせろってんだ! 漢の気持ちなんてモンは誰にも・・・・・・・

☆It continues in the next time?



お世話になっております、KEIです。
今回は次のストーリの繋ぎという事で書き上げてみました、
年頃の娘を持つ父親の心情(!?)と、別れた奥さんに対しての想いってのを書いてみましたが、
如何な物だったでしょうか?

ともすれば重たい内容になりそうなお話でしたが、精一杯アホンダラな話にしてみました。

本作の続編は必ずキットモデルを登場させますので、今回はどうぞご容赦を・・・・・

それでは今回はコノ辺りで。

相変らずのハチャメチャな文章をお読み頂き、有難う御座いました。



ドッグファイト・サーカス の入り口へ戻る

アホンダラ達の空 の入り口へ戻る